日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

2008-01-24から1日間の記事一覧

夢の話 第87夜 不倫 その9

三ヶ月が過ぎた頃、私は週の大半をその館で過ごすようになっていた。 クリニックの方は後輩の若手医師に任せ、自分はレイコの会社の1室をもらい、嘱託医として勤務するようになったのである。 しかし、会社の方は日に数時間だけ顔を出すだけで、あとは大半を…

夢の話 第87夜 不倫 その8

身支度をして、2階の夫の診察に赴く。 ベッドに眠るレイコの夫の近辺を見ると、やはり起き上がった気配はない。 「さっきはダンナさんが立っているような気がしたんだけどな」 傍らのレイコは普段の表情に戻っている。 「そんなこと、絶対に起きやしないわよ…

夢の話 第87夜 不倫 その7

次の週には、私自らが運転し、往診に向かった。 門をくぐると、まず見えるのは池で、その向こうには大きな館が聳え立つ。 この辺一体は戦後の開発でできたはずなので、この地に大正時代からの洋館があること自体珍しい。 玄関の呼び鈴を鳴らすと、しばらくし…

夢の話 第87夜 不倫 その6

服を着て外に出たのが4時ごろで、ちょうどここに入ってから2時間後だった。 「ね。急がなくちゃって言ったとおりでしょ」 エンジンを掛け、道に出ようとするとき、思い出したようにレイコが言った。 邸宅に着き、2階の部屋に入ると、レイコの夫はベッドの上…