悪友のKから電話があり、「バハマに遊びに行こう」と言われる。
ちょっと忙しいけど・・・、ま、行こうか。
旅客機に乗るが、この飛行機の窓が普通の3倍くらいあり、四方八方が見渡せる。
空の真っ只中、雲の合間を飛んで行く気分で、気持ちよいと言うか、コワすぎると言うか。
空港に着くと、どこかで見た風景だ。
ここって、もしかしてハワイじゃあ?
(どうやらバハマの知識が無く、ハワイで代用したようです。)
空が広く、海が青いぞ。
少し泳ごうか、と思ったが、水着が無い。
「海パンを持ってきてなかったな」
Kに言うが、「別に普通だろ」と答える。
「ホテルの売店でも売ってるよな。外より高いだろうけど」
とりあえず、ホテルに向かった。
坂下でタクシーを降り、歩いて玄関に向かおうとするが、結構急な坂だ。
石畳の坂道を、ふうふう言いながら上っていく。
なんか、ここも来たことがあるよな。
そうそう、箱根の温泉町とまったく同じ。
超高層ホテルだったはずなのに、玄関前に着いてみると、小さな温泉旅館になっている。
バハマともハワイとも違うけど、これはこれで楽しめばいいじゃん。
部屋の窓から外を眺めると、すぐそばに広間があり、その中央には岩の間から噴出している温泉が見えた。
これは箱根ではなく草津だよな。
この辺で、「ああ、今は夢を見ているのだ」と自覚する。
これが夢なら、なおさら、シチュエーションを楽しまなくては。
ホアヒンビーチ(タイ)の高級ホテルくらいに、状況設定を組み替えねばならんなあ。
それにビーチには美女がつきものだ。
よおし。
白いテーブルと椅子がボン、ボンと出現。
テーブルにはマイタイやチチといったトロピカルなカクテルが並んだ。
もちろん、水着の美女たちも。
ドラえもんって、こんな気分なのか。
潮風に当たり、カクテルを一口含んだところで、現実世界の隣で寝ていた息子がお腹をキック!
目が醒めてしまった。
高校生になったら、オマエも仲間に入れ、色々教えてやるからな。
あせらずもう少しだけ待ってなさい。