日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

◎夢の話 第777夜 資料が無い

◎夢の話 第777夜 資料が無い

18日の午前4時に観た夢です。

 

 朝のコーヒーを飲んでいると、「プルルルル」と電話のベルが鳴る。

 掛けてきたのは中年の男だ。

 「先生。もう皆集まっていますが・・・」

 「へ?」

 何か予定があったっけ?

 カレンダーを見ると、19日に印がついている。

 でも、今日はその1週前だ。

 「スピーチは19日ですよね」

 「今日がその19日ですが」

 うへへ。俺は日にちを間違えていたのだ。

 「すぐ行きます」

 と言っても、もう開講時刻になっている。

 

 そう言えば、今日は全国都道府県の部課長級1千人を集めて、S省でスピーチをする日だった。

 どうしたことか、俺はその日程を失念していたのだ。

 電車に乗っている暇はないから、慌ててタクシーを呼び、行き先を告げる。

 S省までは1時間ちょっとで、その間に原稿をまとめなければならない。

 「ネタ帳があるからスピーチ自体はどうにかなるとして」

 問題は資料だよな。

 行政関係の難い内容だから、「資料無し」では、聞き手が困る。

 急いで、数ページの資料を作ることにした。

 ノートPCには、様々なリポートと図表が入っている。

 ひとまず図表を揃えれば、多少みすぼらしくとも格好はつく。

 俺は大慌てで、ファイルを開く。

 

 ここ半年くらいのリポートから、それらしい図表を転写して、資料を作っていく。

 90分の講義だから、ページに3個ずつの図表として、5頁は必要だ。

 図表の説明を丁寧にやれば、90分はすぐに埋まる。

 構成が見えると少しホッとする。

 「ああ。ヤバいヤバい。俺みたいな一介のコンサルタントが、こういうスピ-チに穴を開けたら、もう仕事なんか二度と来ない。大学の教授だったら、外の仕事で穴を開けても業務外だけどな」

 幸い、順番を替えてくれ、もう一人の講師の話を先に回してくれるらしい。

 それなら2時間はあるから、タクシーに乗っている間に資料を送っておけば、プリントして配布する時間はありそう。

 

 肩の緊張がどっとほぐれる。

 「ま、充分ではないが、どうにかはなりそうだ」

 しかし、その直後にタクシーの運転手が俺に言った。

 「お客さん。どうやらこの先は渋滞のようですよ。どれくらい時間が掛かるか、ちょっと分かりませんね」

 あれま。ダメじゃん。

 ここで覚醒。

 

 さすがにこういうケースを経験したことはないが、これは当方の師匠が実際に経験したことをなぞった話のよう。

 師匠はスピ-チ当日に「今日ですが」と言われて、慌てて会場に行ったが、やはりボロボロだったらしい。そんなことがあったのに、翌年もそのままスピーチを頼まれたらしいが、それもその道の第一人者だったからだろうと思う。

 師匠が失敗談として話したのを、「恐ろしい話だ」と記憶していたようだ。

 「人は生まれ落ちてから死ぬまでの出来事を逐一記憶している」という説は信憑性が高いと思う。ただ単に引き出しに仕舞ってあるだけなので、開ければ出てくる。