◎何が起きていたのか
多少、気持ちが悪い話なので、「苦手な人は読まない方がよろしい」と予め断って置く。
現在進行の時点では、予備知識がまったくなく、判断のつかない状態だったが、今は状況が判明した。
まずは、経過を記す。
数年前から、時々気晴らしに訪れていた某ダムだが、たまたま、最奥の湖岸の上に行った。
すると、何やら話し声が聞こえたが、その時は「対岸にいる人たちの話し声が湖面に反射して届いた」と考えた。
後で「おかしい」と気づいたのは、対岸が5百㍍くらい離れているからで、普通はその距離ではどうやっても聞こえない。
そこで景色を撮影したが、何となく違和感がある。
画像を開いてみると、やはり視線がこっちに向けられていた。
姿ははっきりしないが、「おかしい」と不審に思った。
レストハウスに戻り、その場所を撮影すると、やはり人影が写る。はっきりしていないので、普通は見落としがちだが、いつも神社で見ているので、霧の陰に何者かがいるとすぐに分かる。
幾度目かは忘れたが、そのレストハウスでどっと人影が現われた。一目で分るが、自殺者の霊だ。
どういう状況かは、まったく想像出来なかったが、事実関係を突き詰めてみると、符合する点がある。
・時々、警察のボートが出て何かを捜索している。
・その後、必ず上流に上がり、最奥の湖岸の方向に向かう。
・湖へは夜間は立ち入り禁止。
・対岸に駐車スペースがあり、すぐ近くに橋が架っている。
後で分ったこともある。
・ボートを接岸できるのは、上流の最奥のポイントだけ。
・車の乗り捨てがある。
要するに、夜にこのダムに来て、駐車スペースに車を置く。それから、橋の上まで歩いて行き、そこで身を投げる者がいる、ということだ。
ボートを接岸出来るのは、あの地点しかないから、警察は必ずあそこに仏様を運び、そこで車に乗せる。
最後の画像では、下の方に複数の自殺者が見えるのだが、溺れて亡くなったわけではないので、不思議に思っていた。
しかし、「橋の上から身を投げる」と湖面に叩き付けられるから、そこで即死してしまう。
高さが30mくらいあるから地面に落ちるのと変わりない。
あの地点には、自殺者でない者も立っているのだが、おそらくその地に悪縁がついたために、引き付けられて寄って来たのだろう。
日頃、祈祷を重ねている神社に霊が引き付けられるのと同じで、人為的に作られた霊場だと言える。
もっとも、湖岸の方は悪縁だから、「死にたい」と思って訪れた人は、その決心を翻すことなく、身を投じるようになる。
とまあ、推測出来ることがあるわけだが、警察に行って事実を確かめたわけではないので念のため。そういうのはあまり重要ではない。
事態を興味本位で眺めているわけではなく、「自身がどう関わるか」を想定しているからだ。声が聞こえる以上、もはや関与しており、実際に「働きかけ」がある。
私も当事者の一人なので、私が理解出来ればそれでよい。
さて、この地の状況に気付くのは、事実上、私だけだと思うから、繰り返しご供養を行った。
効果については半信半疑だったが、その後はきれいになっている。
たまたまなのか、ご供養の効果なのかは、はっきりと分らない。
しかし、神社の前で撮影した画像の中に、ダムにいた女性が写っていたので、救い上げることが出来ているのは確実だ。
何ひとつ才能を持たない私だが、幾らかは他者(もう死んでいるが)のためになることが出来るらしい。
もちろん、しばらくすると、また同じ場所に溜まるから、時々見に行って、迷っている者(死者だが)を拾う必要がありそう。
たぶん、これが私の「務め」のひとつだと思う。
わずか一年で、色んなことが出来るようになっているが、それも私が常に生死の境目にいることと無縁ではないと思う。
善行を施し、「でも後できちんとツケは払ってね」と告げるのは、幾らか効き目があるようで、大腸に出来たしこりが小さくなって来た。これは当事者でも信じ難い。
どれひとつとっても信じ難い話だが、現実に起きている。
しかし、ここできちんと書いて置く必要があるが、「俺について来れば良い」と告げると、実際に全身がずっしり重くなる。そして、半端なく体調が悪くなる。
お寺や神社に行き、「ここで離れて流れに乗れ」と祈っても、離れてくれない者もいる。
家まで付いて来て、私の脇に立って、じっと眺めていたりもする。
処置が簡単ではなく、かなりやっかいな話だ。
自分の方が選ぶのは良いが、他人に頼まれてやることではないと思う。しくじれば、そこでこちらが終わりになる可能性もある。
さて、この話は、要するに「何か変だ」というザワザワ感には「それなりの理由がある」というものだ。
直感には何らかの根拠が関わっているということだが、しかし、そういう因果めいた話は、あくまで想像であり妄想だと思う。
「この世」の理屈と「あの世」のそれはまるで違う。もちろん、事実関係は、死んでみれば、そこで分る。
怖ろしいのは、まったく心構えを持たずに死ぬことだ。
勝手が分らず、ただ彷徨っている者が沢山いる。