昨夜、家人が帰宅すると、豚のヒレ肉をテーブルにどんと置いた。
「ソースかつ丼が食べたいから、明日作ってね」
いつも万事この調子だ。家人は厨房を「ダンナの仕事場」と思っているらしい。
だが、「ソースかつ丼」となると話は別だ。
埼玉や山梨長野、果ては新潟まで、「かつ丼と言えばソースかつ丼」に決まっている(ホントか)。
私も東北地方出身なのに、埼玉在住の方が長くなったせいか、「かつ丼」と言えば「ソースかつ丼が最高だ」と思う。
レシピはようやくものになりつつある。
この日、家人の買って来た豚肉は生姜焼き用なので、ちと薄い。普通のとんかつ用のは厚すぎるから、生姜焼きのを二枚重ねたくらいがちょうどよい。
二枚重ねの場合、間に何かを挟むことが出来るから、少しだけ大葉を挟んだバージョンを足すことにした。
問題はソースだ。
名前は「ソースかつ丼」だが、ベースは醤油だ。
まず出し汁(昆布と鰹ベース)を作って置き、醤油2酒1みりん1の味と合わせる。出汁は1~2の間だが、これは醤油の濃さによる。
次に甘味だが、赤ザラメか黒糖を使う。今日は黒糖の方だったが、好みがあるので、加減はその都度、食べる人に合わせる必要がある。
これらを先に合わせて馴染ませて置く
最後にソース2を加えるのだが、長らくウスターソースを使っていたが、どうにも味が合わない。最近になり「とんかつソース」を加えることに気付き、そうしたら味が良くなった。
隠し味にレモン汁を少々絞る(秘密なのだが)。たぶん、ゆずでもイケると思う。
下に敷くキャベツも重要で、細かく切った後、湯通しをして、一旦冷やす。それから、出汁を潜らせて、その汁を絞る。
ご飯を盛ったら、まずこのキャベツを敷き、その後で、揚げたてのトンカツをソースに浸して、余分な汁を切り、丼に載せる。
出来上がりは画像の通り、ものすごうくシンプルなのだが、豚の味がダイレクトに伝わる。出汁の取り方、ソースの配合も、「豚肉の素材次第」というのが面倒くさくて良い。
今は大体、しくじらなくなった。
群馬や栃木の田舎町を訪れ、「大衆食堂」でご飯を食べることがあるが、メニューの中で一番美味いのは「生姜焼き定食」だ。
これは、これらの県が主要な「豚の生産地」だから、その地の人の「舌が肥えている」ということだろうと思う。
(試しに栃木群馬の田舎の「大衆食堂」を訪れてみると良いです。生姜焼き定食の美味さときたら、驚かされること必至。「600円とか700円でこれを出すのか?」と呆れますね。)
画像は殺風景な完成品と、その下の湯通しキャベツだ。
レシピはあくまで「自己流」なので、いずれプロに習おうと思う。
画像は完成品と、その手前のキャベツを敷いたところだ。
見た目が殺風景なので、秩父に35年以上通いながら、「食わず嫌い」のままだった。味が無さそうだが、実際は、普通のかつ丼よりしっかりした味をしている。
湯通しキャベツを「出汁を潜らせる」という技術に気付かず、何年も苦心した。
下味が付いているから、味に変化があるわけだ。