日刊早坂ノボル新聞

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◎「あなたは菌」

◎「あなたは菌」

 コロナ感染者に対する「差別」があると言う。

 面白いのは、「あなたは菌」というフレーズだ。

 

 「菌」という言い回しは、若い人は使わない。「細菌」と言う言葉自体、あまり聞かなくなっている。

 また相手を非難する時に、男なら「あなた」ではなく「お前」と呼ぶだろう。

 すなわち、これを言ったのは、「中高年の女性」である可能性が高い。

 

 何故そんなことを言ったのか。

 それは「中高年」にヒントがある。

 「若年層では感染が命に係わることは少ないが、中高年や持病のある人には致命傷になり得る」ということが流布されており、浸透している。

 (ちなみに現実には、若年層も後遺症があり、脳梗塞などで早死にする可能性がある。直接的な死因になり難いだけ。)

 

 要するに、感染者を非難するのは、「死ぬのが怖い」「死にたくない」という感情による。

 さっき、テレビのコメンテイターが「日本はいまだにムラ社会の感覚が残っていて」と言っていたが、素人以下だ。

 二軒隣の家にどんな人が住んでいるかも知らないのに、「ムラ」もへったくれもない。このボケ。

 いつどこで、どういう風に感染するか分からず、「自分が感染して、数日で死ぬかもしれない」という恐怖心にかられた行動だということ。

 すなわち、この誹謗をした人は、感染の発生源からすぐ近くに住んでいる。

 同一市町村内、と言うより、半径3キロ以内に住んでいると思う。

 

 「菌」と言っているから、そもそもあんまり賢くない。

 細菌ではなくウイルスなわけで。

 

 おそらく50歳代後半から60歳前後。旦那さんは勤め人。

 農家なら隣との間に広いスペースがあるので、三密になる機会が少ないから「即死」の意識は薄い。商家なら「そんなことなど言ってはいられない」状況だ。毎日、不特定多数と会っている。

 製造業でも頻繁に人と会うから、ヒステリックにはならない。

 専業主婦とは言い切れないが、それに近い立場ではないか。

 

 1フレーズだけでなくもっと情報があれば、「絞り込み」が効くので、「どの町内に住んでいる」くらいまではプロファイリング出来ると思う。

 

 世間には「PCR検査をすることにさしたる意味はない」と言う人が居る。

 ま、検査数が東南アジアなみの日本では、その判断自体、根拠が薄い。

 インフルエンザでも必ず検査をして確認するし、癌なら繰り返し丁寧に検査をする。

 そこから本格的な治療だ。

 今のところ、コロナにはPCR検査しか感染を調べる有効な手立てがないのに、「調べない」なら、人によっては「重大な事態になるまで放置する」という意味だ。

 「若い人は大丈夫だし」と平気で言う者もいるが、人に「死んでよい」者はいない。

 基本的な発想自体が誤りだ。

 「高齢者」「持病のある者」でなく「中高年」までの範囲でリスクがあるが、「自分は該当しないから大丈夫そう」と思っているなら、そういう者が感染を拡大させている。

 

 今の検査体制の問題点は、「時間が掛かりすぎること」と「費用が掛かる」ことに尽きる。

 無料、もしくは安価で、かつ簡単に結果が出せるなら、多くの人が「自分や周囲は感染していない」ことで安心することが出来る。

 他の人が「感染していない」のを知ることが出来れば、経済活動を自由に行う度合いが高まる。

 日本人の長所であり、最大の短所は、「精度にこだわりすぎる」ところだ。

 判定の正確さが70%でも、繰り返し調べれば、絞り込みが可能だから、何もしないよりはるかに改善できる。

 それを「99%の精度が必要」と検査装置を認可しないのでは、その間に感染者が山ほど増える。

 感染症対策は「検査・隔離・治療」という方法しかない。

 

 感染率がまったく分からないのに、経済を動かそうとしたら、パンデミックを演出するようなものだ。

 日本製の検査機を全国に配備し、誰でもすぐに検査が受けられ、「安心できる」体制になれば、不安にかられて感染者を誹謗中傷する者も減る。

 アベノマスクの予算規模なら、何百台という台数を発注できる。