日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

◎扉を叩く音(続)

◎扉を叩く音(続)

 毎年、「秋から冬にかけて、深夜、玄関の扉を叩く音が聞こえる」話の続きになる。

 今は「出入り自由」になっていることは、既に記した通り。

 

 最近、家人が「夢枕に女の人が立つ」とこぼしていた。

 布団に横になり、「明りを消すと、部屋の中に髪の長い女が立っていて、自分のことを見ている」というのだ。

 眠っている状態の時だけでなく、まだ起きている時にも同じことが起きる。

 よって、正確には「夢枕」に立っていたわけではない。

 

 これが数日前に「無くなった」と言う。

 「カーテンを取り替えて、陽の光が沢山入るようにしたからかしら」

 それは「アリ」だ。もしそれが幽霊の類なら、明りを入れ、整理整頓すると、居心地が悪くなるものらしい。

 

 カーナビぐるぐる事件の翌日は、私は体調が悪く、病院から帰るとすぐに横になった。

 春先の二月三月には病人の具合が悪くなる季節だが、ちょうどのその半年後の九月十月も季節の変わり目になり、体調を崩しやすい。

 私もこの機関には必ず調子が悪くなる。

 結局、それから昼夜と横になっていたが、その間、ずっと「誰か」が三㍍くらい離れた位置から私を見ている感じがあった。

 この辺、「視線」には敏感に反応する方だ。

 

 うつらうつらした時に、その「誰か」の姿が見えた。

 「誰か」は女だ。

 女は長い髪、といっても肩から少し背中に伸びる程度だが、それくらいの髪をしている。

 「ああ。しばらく女房のところに行っていたが、また俺のところに戻って来たのか」

 このところ、家人はヒステリー気味で、イライラすることが多かったのだが、このせいだったか。

 ま、幽霊の扱いに慣れるには、ちょっとした年数を要する。

 

 「女」は白い着物を身に着けている。

 そうなると、やはり私が「御堂さま」と呼ぶ幽霊だろう。

 最近は存在を感じなくなっていたのだが、他所に出掛けていたわけだ。

 この「女」は何をするでもなく、ただ脇に立って、私や私の周辺をぼおっと眺めている。たまに私の体に触れていることもある。

 

 ま、いつでもどこでも「誰か」または「何か」に見られているから、この手のは割と平気になって来た。他の人が聞けば「どうかしている」と思うだろうが、私には現実だ。 

 何せ、他人には絶対に見せずに「すぐに捨てる」画像を、幾度も自分で撮影し、自分のの目で確かめている。

 「気のせい」や「想像や妄想」で片づけられない部分が多々ある。