日刊早坂ノボル新聞

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◎父親としての務め

父親としての務め

 菅総理が訪米の折に、ファイザー製薬の経営者に電話をして、追加のワクチン提供の約束を取り付けた。

 これは訪米の「本来の目的」のひとつだったように思われる。

 注文自体は日本から行えばよいが、これをわざわざ首脳会談の日程の中で行うのは、もし断られた時にはバイデン大統領に口添えして貰うことを念頭に置いたためだ。

 実際、ワクチンの争奪戦が起きており、注文しようとしても買えぬ国が沢山ある。

 

 私的には、菅総理の行動はすこぶる正しいと思う。

 政治家の務めは「国民の生命と安全、暮らしを守る」ことだから、どこにどれほど頭を下げても「ワクチンを入手しよう」とするのは当然で、是が非でも果たすべき務めだ。

 こういうのを「物乞い外交」だと批判したバカ政治家がいたが(もうすぐいなくなるが)、もし頼みに行かずに国内でじっとしていたら、何も得るものは無い。

 当たり前のように「泥を被り」、かつ、そのことについて一切自慢・吹聴しないのは、さすが「実務派」だ。

 『七人の侍』で言えば、久蔵の役柄になるだろう。侍の中で最も恰好のよい振る舞いだ。

 

 私はそもそも自民党支持層ではないし、菅総理もピンチヒッターの役柄だと思っていたが、今回、少し見方が変わった。

 やるべきことはやっている。

 見栄を切らぬところも日本人の美意識に沿っている。

 

 「どこかの隣国の大統領やメディア」が「ちっとも出来ていない願望」を「達成した」と吹聴するのとは大違いだ。そこは先進国と「永久に発展途上国のまま」の国との違いだろう。

 

 総理大臣の立場は家族の中の父親と同じだ。

 父親なら子の安全ために、泥を被ったり土下座をしたりするのは、まったく平気だ。

 そこで躊躇しているようでは話にならない。

 子が死んでしまったら、いくら「あの時ああしてれば」と悔いたところで取り返しがつかない。