日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

◎古貨幣迷宮事件簿 「N12 寛永一文 八戸舌千大字母子、その他」

f:id:seiichiconan:20211219163622j:plain
f:id:seiichiconan:20211219163613j:plain
f:id:seiichiconan:20211219163604j:plain
f:id:seiichiconan:20211219163555j:plain
N12 寛永一文 舌千大字母子、その他

◎古貨幣迷宮事件簿 「N12 寛永一文 八戸舌千大字母子、その他」

 HPの維持費調達等のため、コレクションを売却して充当している。当期の売却品について入札・オークションに出品するが、出品時に詳細な「見解」を記すと、鑑定意見が「条件」と受け取られる場合があるので、別途、記して置くことにしている。

 このセットは「舌千大字の母子」とそれに付帯するオマケの5枚セットとなっている。

 ①②八戸舌千大字母銭、通用鉄銭

 銭種は見ての通り。母銭はオークション・入札で8~10万くらい出せば、概ね買えると思う。ただ、舌字の型に幾つか「手」があるようなので、それを揃えるのは容易ではなさそう。

 難獲品はむしろ通用鉄銭の方になる。面背ともに抜けの良い品が見当たらず、判別が難しい。サイズが違うので、「小字背千」や「舌千小字(様)」とは区分しやすいが、「十字銭(千)」には似たサイズの品があり、「背郭の広さ」の違いが分からねば判断が難しい。特に背面が出ず、舌が見えるのは僅かだ。選り出しに困難を極めるためか、八戸銭を収集している者でも鉄銭を放棄し、母銭のみを対象とする人が殆どだ。

 「舌」字パターンの変化については、母銭でかろうじて判断出来る程で、通用銭では横引の角度が少し違う程度しか認識出来ない。

 ちなみに、背の左下の表面が雑なのは、母銭からのようで、鉄銭の方にもそれが残っている。

 

 ③④は舌千小字、同刮去銭。

 面文の書体が奇異なので、表が分かれば選り出しは難しくない。美銭も多いので、割と人気がある。密鋳銭を注意深く観察すれば拾える。

 ⑤は水永。今回意図的にここに入れた。地金、砂目とも舌千類とは異なる。地金は軽米方面の小規模密鋳銭に似ている。

 舌千類とは別系統の品で、母銭のつくりを見る限りでは、目寛見寛座(二戸藤八銭)の作である。

 五枚セットで6万5千円が下値。数日中にいずれかの入札・オークションに出してみる。事前商談可だが、雑銭の会関係者か直接、メールで連絡のつく人に限る。