日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

◎古貨幣迷宮事件簿 「桃猿駒の現状」

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◎古貨幣迷宮事件簿 「桃猿駒の現状」

 一年以上前、収集の先輩と会った時にその先輩が私に尋ねた。

 「私はネットを使わぬが、人に聞くと、ネットオークションでは桃猿駒が異常な安さで出ていると言う。これはどういうことなの?」

 これには少し考えさせられた。

 だが、同じことを考えてもいたから、自分なりに答えた。

 「ネットに出ている品は後出来のものが多いのですが、そもそもこの絵銭は明治以後にも継続して作られています。絵銭はテキストがなく、ネットのコレクターは古銭会などには出ないので。新しい古いの区別がつかないのではないですか」

 恐らく大正以降の作品と思しき、固く黄色い品や、寛永明和のように緑色の品があったりする。そういうのは数千円の評価で良いのだろうが、区別がつかぬから、出す方はそれに合わせる。

 「今のネットコレクターは恵まれているとも言えるが、悪貨は良貨を・・・の理屈で、全部が一緒くたになってしまうと思います」

 

 地方の収集家は都心に出ると、自分たちの求める銭種を安価に手に入れるために、極力、詳細を教えぬようにする。実際、私自身も長い間、店頭や集まりでは、情報を教えずに地方の貨幣を「買うだけ」にしていた。その代わり、自分に必要でない品については、安価に提供する。

 ただ、今なら情報を共有出来るのだから、きちんと情報を提供する方が底上げになると思う。現状では収集は年よりの道楽で、実際、私も三十歳くらいから数十年間、「若手」のままだった。

 年寄りは次々死んで行くのに、知識を受け渡さねば、その世界全体の活気が薄れる。

 

 ネットなど無い時代には、一軒一軒、収集家の家を訪ねて、話を聞き、コレクションを譲って貰ったものだが、今はそんなことをする人は少ない。

 品物のやり取りは簡便になったが、「話」が落ちてしまうことで、いずれは衰退するジャンルだろうと思う。

 ま、もはや卒業する者には関係はない。

 

 画像はこの一日二日で登録掲示したもの。既に値段を忘れたものが多いので、高い安いのぶれがある。だが、買い手が良いと思った値段が適正価だっから、「それで良ければ」ということ。あくまで遺品整理の一環であって、ネットオークションや業者販売ではない。