◎対策を打ち始める(633)
相手が誰か分かったので、対策を打つことにした。
まずは腹を割って話を聞くことから。
そこでひとまず酒をお供えすることにした。
確かお坊さんも飲酒は大丈夫だったと思う。
稲荷の祠の近くには行けぬので、手前の菩提樹の根元に備えた。
前回はこの樹の後ろの方に顔を出していたが、お寺の人からすれば、「散らかした」としか思えぬだろうから、少し申し訳なく思う。
だが、鳥居の近くにも行けぬのが実情だ。
それどころか、この位置でもこの日は酷い不整脈を発症し、一時はどうなるかと思った。
薬を準備したが、飲む前に症状が治まった。
本番でもなるべくこれくらいに留めて欲しいものだ。
お寺を出て、いつもの神社に向かう。
まだ午後二時頃だったが、神殿の前に日の光が当たらない。
南側に水天宮のお山があるが、この山の木々が伸びて、日陰になってしまうからだ。
最近、あまりあの世の者が写らなくなったのは、日差しが足りないせいらしい。
神殿に陽光が当たらぬのは、皆にとって不利益でしかないから、早めに枝払いをして欲しい。
画像ではっきりわかるのは「黒いひと」だ。
と言っても、極力、自分の姿を隠そうとしており、「黒く」はなっていない。
だが、周囲の景色が歪むし、人型のシルエットは十分に分かる。
おまけにサングラスを掛けていることも丸わかりだ。
要は私の姿に近付けているということで、いわゆるドッペルゲンガーの類だ。
(私は「ドッペル君」と呼んでいる。)
コイツならかなり前からいるから、警戒を怠らなければ大丈夫だ。
他の状況はまだよく分からない。
当面は対話路線で懐柔策を続ける。
これが通じなければ、祓いに賭けるしかない。双方が得をするのは、一定のところで「手を打つ」ということだろう。
何の因果かこういう処理の必要性がやたら多い。他の人なら「気のせい」で済む話だが、私には物理的な災難が降り注ぐので放置出来ない。
さすがに腹が立つ時もあり、「誰彼構わず、自分と同じ目に遭わせてやりたい」と思うこともある。