日刊早坂ノボル新聞

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◎病院での笑い話

令和四年五月三十日の出来事

病院での笑い話

 自分の体調が悪く「週に三日+α」で病院にいるのに、妻(家人改め)も今は膝痛が酷い。この日は家人のMRI検査のため、朝一番で病院に出掛けた。

 MRI検査室は地下の奥から二番目の部屋だ。

 そこで待っていたが、ただじっと座っているのさえ、私には結構堪える。

 すると、妻がダンナに言った。

 「そっちの一番奥の椅子の方が深くていいよ。担架のカートもあるから、なんならそこに横になればいい」

 おいおい。

 「そこの部屋の扉が金属で出来ているのは、そこが霊安室だからだよ。仏を収め、葬儀場に送る部屋だ。あっちの担架に乗るべき人がどういう患者だかは、外国籍のお前でも容易に想像がつくだろうに」

 要は既にお亡くなりになっているってこった。

 「ま、そのうち俺も乗るだろうから、今乗っても大差ないだろうけどな」

 「じゃあ、あの車椅子は何?」

 「ま、仏は車椅子には乗らんから、空いたスペースに置いてるってだけだろうな」

 一瞬その様子を想像した(笑)。

 

 ところで、開閉スイッチらしきもののところに、ピンク色の影が見えるので、一瞬、「手か」と思って思わず退いた。しかし、そういうのを避けるために金属の扉にしてある。

 死んだばかりの仏さまから霊魂が迷い出ても、金属を通り抜けることが出来ない。何故なら霊体は「煙(ガス)状の物質」なので、物理的なルールに従う。

 結局、「そこが霊安室だ」と思うから、あれこれと想像をめぐらすということだ。

 「あの世」の多くは想像の産物だ。

 

 一般のイメージと異なり、病院にはほとんど幽霊は出ない。

 そこが生きている者にとって、長く留まりたい場所でも、様々な思いを残すところでもないためだ。

 だが、老病死のマイナスイメージが人に良からぬ想像を導く。

 もちろん、ただの想像だ。