日刊早坂ノボル新聞

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◎マリーゴールドは可憐な花

マリーゴールドは可憐な花

 畑のあぜ道にマリーゴールドが咲く季節になった。

 この花自体、なかなか美しい花だが、しかし畑では常に脇役で、虫除けのために植えられる。

 よって、畑のあちこちでこの花を見ることが出来る。

 

 自身もきれいな花を開くのに「あくまで脇役」というところは、何となくドラマ性を感じる。

 まるで、ダンスホールの片隅に立ち、友だち(金持ちで派手な女子)が男と踊るのを眺めているおとなし目の女子のよう。

 眼鏡をかけ、服装は地味だが、実は顔だちもスタイルも整っている、みたいな。

 六十年代風の発想だが、それくらいイメージを掻き立てられる。

 とりあえず上の句はこれから。

 

 梅雨晴れのあぜ道に咲く千寿菊  ーーーーー   

 

 下の句が出来ず、朝から唸らされている。

 「千寿菊」はマリーゴールドの和名だ。

 ま、ただの道楽なのだから、気楽に考えればよいのだが、「あの頃の※※ちゃん」(女子)のイメージと重ねてしまうから、重くなってしまう。

 

 そう言えば、四五年前には病棟の隣のベッドはアラ七十歳くらいの老婦人だった。

 いつも服装が六十年代風の匂いのする着こなしをしており、それこそダンスホールに行けそうな感じだった。

 それほど話をしたわけではないが、上品さは伝わる。

 「このバーサンとはデートできるなあ」と思っていた。

 ある時、そのバーサンと少しく会話をしている時に、頭の中で「この人と食事でもしたら割合楽しく話が出来るだろう」と考えた。なお外見は六十の手前くらいには見える。

 気が合うのも不思議ではなかったようで、この女性は怖ろしく勘の働くひとだった。

 一二秒沈黙すると、そのバーサンが言った。

 「わたくしには夫が居りますのよ」

 ええええ。

 当方はチラッと「飯が食える」と思っただけで、「食おう」と誘ったわけでもないのに、バーサンに断られてしまった。

 人生、色んな経験をして来たが、誘ってもいない女性に断られたのは、後にも先にもこれきりだ。

 誘って断られるのや、付き合い始めてすぐに断られるのは、それこそ何百回もある。しかし、十幾つも年上のバーサンに誘ってないのに断られるとは、いよいよ因果なことだ。

 ま、「俺の人生などせいぜいそんなもんだ」とも思う。

 

 ちなみに、東南アジアに行くと、今もダンスホールはあるし、金持ちっぽい男女がフロアで踊っていたりする。

 社交ダンスが出来れば、きっと楽しめると思う。

 壁際には、マリーゴールドらしき女性たちも立って見ている。

 脱線した。