日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

◎夢の話 第1K54夜 山林の中

◎夢の話 第1K54夜 山林の中

 七月五日の午前一時に観た夢です。

 

 我に返ると、俺は遠くの山を見ていた。

 カメラを構え、少しずつ森の中にズームインして行く。

 前に立つと何となく胸騒ぎがしたので、その理由を確かめようとしているのだ。

 違和感の理由は「わずかだが光の屈折の仕方が普通の景色と同じではない」ということだった。

 通常はそこに光を歪める「何か」がある。

 

 どんどん分け入って行くと、なるほど、人の気配がある。

 森の中にたくさんの人影が蠢いていた。

 「なるほど。あそこに穴があるのだな」

 「穴」はこの世とあの世を繋ぐ接点だ。

 木々の間をひたすら歩いている者も居れば、立ち止まってこっちを見ている者も居る。

 「上の方に石造りの祠があり、その周辺が穴になっている。あの人影はその周りを回っている者たちだ」

 すこぶる気持ちが悪い。

 「普通の人なら何でもない場所なのに、俺には何かしら関りがある。俺がもしあそこに立ち入ったら、二度と出ることが出来ないだろうな」

 立ち入った途端に出口が分からなくなりそうだ。

 おそらくは、今あそこの中にいる者たちも、自分がどこにいるのかが分からず、ひたすら彷徨っているに違いない。

 

 景色を写真に留めてしまうと、むしろ見え難くなるが、レンズを操作して拡大すると、目視の時点ではっきりと人の姿が見える。

 人影たちは「穴」の周りを右回りにぐるぐると回っているようだ。

 ここで「こういう地には関わるまい。関わってはならぬのだ」と思う。

 だが、その地点から目を離すことが出来ず、俺はひたすらその景色を眺め続ける。

 ここで緩やかに覚醒。

 

 実際にこの地に立った時の記憶に基づいているのだが、その時に拡大視していたポイントの画像がどうしても見つからなかった。

 人影の一部は画像にも残ったと思ったのだが、画像自体が見つからない。

 目覚めた後も、ざわざわ感が消えない。

 この数日、女が何事かを話し掛ける声が聞こえている。

 

追記)着物を着た男女が坂を右下から左上に向かって上っている。
 こちらを見る視線もあるから、なるほど「遠くの森の中を覗き込むのは控えるべき」という言葉の意味が分かる。森の中を注視すると、先方からこちらが見つかりやすい。
 私は一番下の木々の間に入ったところで、引きずり込まれると思う。その後はそこに居る者たちのお仲間だ。