◎古貨幣迷宮事件簿 「旭日龍二十錢 明治三年銘の文字型の変化」研究ノート(追補)
さて、前回の報告に漏れがあったのでサンプルを追加する。
なお現時点では結論ではなく、最初に行う「記述」の段階であり、この場合の方針は「見えた通りに記す」ということになる。
摩耗などの影響で、「たまたまそう見えた」という要素が入り込む畏れがあるわけだが(=ノイズ)、これは大量観察を繰り広げて行くうちに消却されて行く。
ここでは、極力、解釈を加えずに記述を行うことが基本になる。
まずは対象サンプルの全体像について。





次に個々の文字型の相違点は次の通りとなっている。
概ね、01とそれ以外について、相違がみられることが多いようだ。
個々の文字型について、相違が確認できたのは四文字であった。




以下は現時点ではあくまで感想である。
「年」字などは、最初の彫り型に生じた相違のようだが、一方で「二」字のような極印製作段階で生じた欠損やそれを修正した結果のように見える箇所もある。
ちなみに、いつも思うが、こういう時に「何となく最初に手を取った品」に必ず、特別な特徴がある。何万枚と触っているうちに、「引きの強さ」のようなものが養われるようだ。希少品を拾う時には、大概は「最初の袋(または差し)」の始めの方にある。
指で触った時の感触が違うので、こういうのは経験によるものだと思う。
「自分の興味のある品が来て欲しい」と同時に、「特に興味のない品は他の人に拾って貰おう」のように、鷹揚に構えた方がツキが寄って来るようだ。
店やオークションだけで入手しているうちは、引き運が高まらない気がする。
これは希少さだけの話ではないので念の為。「勉強になる品が寄って来る」という要素の方が大きい。
注記)病床にあり、推敲や校正をしないので、不首尾はあると思う。あくまで日記の範囲と言うことだ。