日刊早坂ノボル新聞

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◎歴史は今も生きている

歴史は今も生きている

 岩手町の土川蕎麦を注文したが、その担当者が姉帯さんという人だった。

 おお、姉帯氏と言えば・・・。

 一戸の地侍で、戦国末期に上方軍に攻められ、滅んだ一族だ。

 もちろん、家系は敵味方双方に別れて戦うから、生き残る者も存在する。

 

 南部の乾き蕎麦と言えば、土川蕎麦と一方井蕎麦が双璧だが、いずれも岩手町に会社がある。

 岩手町から二戸あたりまでが同じ食文化圏だと思うが、南部の殿様はこの地方一帯で穫れる蕎麦を城下で独占したいので、「蕎麦麺を打ってはいけない」という禁令を出した。

 こんな美味いものは下々には食わせられん、という発想だ。

 ちなみに、この禁令を侵すと重罪に処せられたから、この地方では長細く切る普通の蕎麦が食べられなくなった。

 だが、もちろん、こんな命令には従ってはいられない。

 この地の民は、長細く切らぬ蕎麦の食べ方を考え出し、これが「蕎麦かっけ」になった。

 四角く薄い餃子の皮みたいなものだが、茹でて、大蒜味噌をつけて食べる。

 岩手郡から二戸郡までの人にとっては、これがソウルフードのひとつになっている。

 

 ああ、南部美人(酒)と蕎麦かっけがあれば、ぐでぐでになるまで飲めるなあ。

 あと二戸界隈には、目パッチリの南部美人がいる(人間のほう)。

 

 ここで少々、脱線する。

 二十年前に、取材で二戸に行き、九戸城下のコンビニに寄ったのだが、そこに入って来た女性が、まさに「女優さんかよ」の域の「南部美人」だった。

 ここは昔から鹿角(今は秋田)との繋がりがあり、いわゆる「秋田美人」と同じ顔立ちの女性がいるようだ。秋田美人と言えば、女優の佐々木希さんが代表格だが、あの人は「秋田美人的には普通レベル」らしい。

 同系統の「南部美人」の実力を見せつけられ、何だか損をしたような気持ちになった。もちろん、ほんの一瞬の刹那的感情の話だ。

 

 最近はようやく「家族渡り」を習得し、「この世で最高の女性はお前だよ」と、平然と家人に言えるようになった。標語のようにスラスラ出るが、こころが籠っていようがいまいが、受け取る側は悪い気がしない。(偏屈者を除く。)