日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

◎病棟あるある R060528

病棟あるある R060528
 火曜は通院日。眼科の検診があり、七時半に病院に入った。癌かはもの凄く時間がかかるし、その後で治療だから、病院を出たのは午後三時半だ。病棟を出る最後の患者だった。
 八時間も病院の中にいると、さすがに疲れる。帰宅後は殆ど横になっていた。ま、ものを考えるにはちょうど良い。

「死期が近づくと、激やせする」
 この二月から四月の間に、かなりの患者が病棟を去った。入院病棟に移っても、腎臓病棟には来るから、それっが来なくなったのは、この世とオサラバしたからだ。
 姿を消す直前に気付くのは、「急に痩せる」ということ。
 ひと月ふた月の間に、傍目で分かるくらいげっそり痩せる。
 食事の量が眼に見えて減っているわけではないのに痩せる。
 末期がん患者の場合も体重が落ちるが、それより速度的に早いと思う。「理由なく体重が落ちる」のは、生命の危機を示すサインだ。

「腎不全患者は墨汁色に変わる」
 腎不全患者の末期には、体中が真っ黒に変わる。
 アフリカ系の人の黒さではなく、完全に墨汁色だ。この特徴が出ると、まずは残りひと月。
 もはや言葉を発することが出来ず、呻くだけの状態だ。
 筋肉が落ちることもあり、ベッドに寝ていると「黒い棒」のように見える。
 「あんな風にはなりたくない。その前に別の病気で死のう」と思うが、そんな考えは、まだ死を目前に捉えていない証明だ。
 マジに死期が迫ると、その途端に、殆どの患者が「死にたくなくない」と叫ぶ。
 それを過ぎると、全身の激痛に苛まれることで、「もう死なせて」と叫ぶ。
 当方は重篤な患者の入る「入り口付近」のベッドにいるので、日常的に「数日からひと月で亡くなる患者」を傍で見ている。

「女性の方がはるかにしぶとい」
 高齢になり腎臓病棟に来るのは、他の病気を散々経たうえで、圓蔵病に帰着した人だ。複数回、心臓の治療を受ければ、ま、腎臓は壊れる。
 七十台、八十台で腎不全になれば、一様に先が短い筈だが、男性はその通り、数週間から数か月で去る者が多い。
 ところが、女性患者はこの状態になってもかなりしぶとくて、一年二年病棟に通っている。
 同じ年に入棟した残りは、既に四人しかいないが、二人の女性患者は「バイパスやら人工血管」だらけで、「もはや人造人間」の域だ。
 ガラモンさんは激やせして来たが、しかし、あの世が近い感じがまるでない。Aさんも胸の中がパイプだらけだが、死にそうな感じが無い。(さすがに、まだ五十台なのに七十台くらいに見える。) 
 たぶん、当方より長く生きると思う。

 調子が悪いのでここまで。