◎古貨幣迷宮事件簿 「九月期盆回しの開示」
PCが殆どクラッシュ状態になり、データをの意向を進めていますが、ほぼ買い替えることになりそうです。このため、欠損を埋めるための資金提供を目的に「盆回し」を開催することとしました。
方式はこれまで通り。古銭会活動(雑銭の会)の一環として行うもので、販売が主目的ではありません。
詳細については下記をクリックすれば、ウェブサイトに移行します。
なおPCが新旧とも不安定ですので、何かと不都合が生じると思いますが、宜しくご理解ください。
要綱に未掲載の情報について付記しますが、この数年の通り、一定金額以上の落札者には「抽選券」を交付します。これまでは「1万円以上購入者」「一人1枚」で、「1~18までの数字を一つ選んで貰う」方式を取って来ました。
この時期であれば、概ね「天皇賞」が想定されますが、この「上位入線馬」が当籤番号となります。
今のところ、商品はガラクタ程度。「鹿角の赤ペラ銭」「南部地方の不明絵銭」「津軽藩士の道具箱」「幕末明治の道具」などを予定しています。こちらは決定次第に開示します。
品物については、正直残り物で大した品はありません。
既に解説済みですが、幾らかコメントを付与します。
S06 称浄法寺銭鋳浚い(母銭改造未仕上げ)
鋳浚い銭は金色が嫌味な印象を受けるが、この品は経年変化でだいぶ良くなった。
出発点が本銭の通用銭と変わりないなら、(落とせるかどうかはともかくとして)、「とりあず買っとけ」だと思う。「本銭」と「半仕立て」「鋳放し」の間にこの品を置くことで、どこまでが連続性があり、あるいはないかを一発で説明できる。
製作に関する検証は、分類視角と違い、少数枚で立証できる。
類品を入手した者は、少なくとも6万から20万の金額だったし、この品もその売価だった。今は千枚存在する本銭と変わらない。これが「買っとけ」の意味だ。
裏を見て「こいつは文久銭だ」と見取ってから、立証めいたところに行き着くまで15年以上かかった。見すぼらしいが、製造工程から見て、密鋳銭ではあり得ない。
「母銭を削り、面背を貼り合わせる」ことをやるのは本座だけ。密鋳銭なら冒頭が「通用銭を削り」に変わる。母銭があるのだから、これを毀損する者は密鋳銭界隈にはいない。
既に収集を引退した身でもあり、持っていてもしょうがない。
もう一枚はペラペラの文久銭仕様で歪みまであり、到底売り物にはならないので、誰か「コイツは勉強している」と感じた人に贈呈しようと思う。
ちなみに、薄いので溶金属が冷える過程で歪みが生じるのだろう。
幾人もから「譲って欲しい」と言われたが、「市場価の判断は35円か千円かそれなりの金額」と答えた。35円は「見すぼらしい普通品(焼け文政とか)」、「密鋳写し」、「文久期試鋳寛永」の3通り。密鋳銭ではあり得ぬので、「35円」か「それなりの金額」だ。
和同開珎とこの品のどちらが少ないかを考えれば、容易に答えは出る。
だが、もちろん、銭種を確立するまでには、まだ何段階もステップがある。
とりわけ、貨幣収集界は「分類思考(嗜好)」なので、「小字です」の答えしか返って来ない(w)。
ま、偉そうなことを言っても、2枚同時に発見しなければ、たぶん、「見すぼらしい」「出来の悪い」寛永銭だと放り捨てたと思う。
2枚並べ、裏を引っ繰り返して見ると、背波が明和文政とはまるで違った。
「まずは裏から」眺めよと言うのは、まさに金科玉条だ。
「当家にもあります」と言う報告を待っているが、今のところ届かない。
PCの調子が良ければ、順次追加出来ると思う。今のところ週に一日程度。新しい方はセットがまるで上手く行かない。