◎霊界通信 いつかは負ける戦
この日は朝から調子が悪く、二度ゲロした。何をしたわけでもないのに、これが障害者ということか。
病院に行ったが、やはり寝ていても気分が悪い。クレアチニンが過多の時には同じ症状になるから、午後には良くなるかもしれん。
ベッドでは殆ど眠って過ごした。
病院を出ると、市役所に向かった。車を廃車にするのに、仮ナンバーが要るからこれを発行してもらった。
窓口の女性は、かなりの美人で驚かされた。
そう言えば、田舎の市役所だと優秀な人材とその土地のきれいな女性が集まるよな。
「これじゃあ、四十くらいなら、不倫するなという方が無理だわ」
浮気不倫と言えば、「教員、役人、警察官」だわ。
それと工場など現業部門。課内の相関図が書けぬくらい派手な会社もある。
てなことを考えて時間潰しをした。
都心からそんなに遠くないのに、ここはローカルな匂いに溢れていて、おまけに人口がここ数年で2万人減っている。
玄関を出ようとすると、何だかまた吐き気がする。
ここで、ふと気づいて、すぐに神社に向かった。
社務所の前に立つと、ガラス窓にばっちり女たちが映っていた。
最初に見えるのが、当方の左後ろで真っ黒な影がある。これは「でっかい女」でかれこれ十年以上も傍にいる。
今日は顔が怖いぞ。
右手には柱の前に別の女が立っていた。
柱が真っ直ぐに立っているのだが、その前にもやが立ち、シルエットが見える。
「こりゃ昨日の女だわ」
暇潰しに「異世界」散歩に行ったが、フェンスの向こう施設の傍に立っていた。その女性のことを昨日は職員だと思っていたが、人間じゃなかったのか。
最近はこのパターンが多くなった。
目視でバッチリ異様なものを目にするのだが、撮影すると良く写らない。
「それなら写真にはあまり写らないかも」
前とは逆だ。以前は眼には見えないのに、写真には写っていた。
撮影し、画像を開くと、やはり鮮明ではない。
あんなにはっきりと立っていたのに。
ま、自分を知らしめる対象は当方で、当方に見て貰えば目的は達する。
男児が傍にいるから、いつもの母子なのかもしれぬ。
服装が昨日の女性に似ていただけかもしれん。
顔が見えているが、何かを叫んでいるかのよう。
ここで自分自身に眼を向けると、お腹のところに黒い煙が出ている。どうやら女のよう。
なるほど。具合が悪くなったのはコイツのせいか。
あるいは、具合が悪かったから寄り憑いたか。
とりあえずお焼香をして、水を供えることにした。
長く戦って来たが、いずれは必ず負ける戦で、当方も程なく向こうの住人になる。たぶん、川を渡って安寧を得る道を選ばず、峠道の方に進むと思う。悪霊や魑魅魍魎のいる世界の方が、たぶん、居心地が良い。
画像が鮮明なら、世間の人に真実を伝えられると思うが、知らぬ方が幸せかもしれん。街のそこかしこに、「かつて生きていた者」の存在を感じるのは、あまり気分がよいものではない。おまけにそれと分かる実害がある。
追記1)二番目の画像を眼を離して見ると、柱の前に薄らぼんやりした「ひと型のシルエット」が立っているのが見える。見える人は割合いるのではないか。当方はこれよりはるかに鮮明な姿をガラス窓の中に見た。普段は逆で、画像の見え方をするのが目視の時だ。写真できちんと人だと分かることの方が大半だ。
顔が分かるが、あまり覗き込まぬ方が無難だ。敏感になることがある。
追記2)あの世の住人は、体の周りの空気が歪む。人型の十五㌢くらい外側が黒くなることもあれば、景色がぐしゃっと崩れることもある。
自分が「半分はあの世の者」だと思うのは、日光の真下に立っていても、体の周囲が黒くなることだ。影が出来る要因は無い。