◎『鬼灯の城』第5-6章の公開について
ウェブページに『鬼灯の城』の5-6章を開示しました。概ね2017年の秋から冬にかけて盛岡タイムス紙に連載されたものです。
手控え原稿で校正前のものですので、幾らか不首尾があるかもしれません。
釜沢館主の小笠原重清が南部と九戸への相克に、否応なしに巻き込まれて行く過程を描いています。
時々、記してきましたが、この地方紙との付き合いは、父の指示によるものです。
ある夜、会合から帰って来た父が私にこう言いました。
「今日、盛岡タイムスの創業者さんと会って来た。『郷土文化の礎を自分たちの手で築く』という考えは素晴らしいから、お前も協力して盛り立てろ」
これが端緒となり、以後は時折社会評論を送ったりしていましたが、その後病気で入院していた折に、手持無沙汰からエッセイを書き、いつしか小説を書くようになっていました。
体調のこともあり、断続的になったわけですが、常に心にあったのは「自分たちの手で築く」という言葉です。
中央の風潮に迎合することなく、己の頭で考え、己の足で立つ。これを最後までやり通せば痛快な話です。
釜沢淡州はまさに「己の道を行く」男で、結果的に滅ぼされたわけですが、彼の築いた治水設備などは四百年後の今も釜沢の地に残っています。
これまで体調の面があまり芳しくなく、実際、休載期間が長くなっていたわけですが、今年の一月に「座敷童」に出会ってから、幾らか状況が好転して来ました。
道のりはまだ長くかかりますが、なるべく自分なりのかたちを出すべく創作を続けて行きます。
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