◎その人なりの許容量
隔週で血液検査があるから、それを利用して実験をしている。
慢性腎不全患者は自分で老廃物の排出が出来ないので、食べ物の摂取量を制限する必要がある。
周知のとおり、カリウムは野菜や果物などに含まれ、リンは肉とか乳製品に多く含まれる。
カリウムは必要だが劇物でもあるので、過剰に摂取すると心不全をもたらす。リンは血管内に付着し、中期的には動脈硬化の原因になる。
ところが、厳密に摂取量の基準を守ろうとすると、覿面に具合が悪くなってしまう。リンもカリウムも生命活動の維持に必要不可欠だからだ。
命に関わらぬ程度にソコソコ摂取する必要がある。
そこで、「即死しない程度に摂取できる許容量」を知れば、死なずに、かつ体調不良にならずに暮らせる。
そこで月初めの検査の時には、ちょっとした実験をしている。
意図的に、カリウム、リンを摂取して、血中濃度を観察するという実験だ。
11月の初回検査の前には、二日の間、毎夕食に生野菜サラダを食べ、毎朝食に牛乳を100CC飲んでみた。
この結果は、カリウムが5.9mEg(基準値5.0以下)、リンが4.6mg(同4.5)だった。
リンは境界域だが、カリウムはオーバーしている。
既にどの水準で何が起きるかを調べており、概ねカリウム6.3くらいまでは心不全に至ることは無い。5ミリ台なら死なないと思うが、その時々の体調にもよるので、5.5以下の範囲が目安だ。
この結果を踏まえ、28日(当月2回目)の検査時には、前二日間での摂取量を前回の半分にしてみた。
要するに、生野菜サラダと果物少量を夕食時に1回、朝食時に牛乳100CCを1回だ。
この結果はカリウムが4.9mEg、リンが4.0mgと、いずれも安全域だった。
この結果、「概ね二日に1回は総菜として生野菜サラダを食べ、牛乳を100CC飲んでも良い」ことが分かった。
この他の条件は、「毎食、病院食と同等の品目・内容にする」という条件になる。
三年前に体調を崩し、三途の川の手前まで行ったが、この手の実験を繰り返すことで、許容量を覚え、循環が良くなった。
今は食事が美味しく感じられ、一時の12キロ減から、4.5キロ増量した。太ろうと思って食べた結果だが、コツを覚えて来たこともあり、この辺で体重増加を止めたいが、今度はすぐには止められないかも知れん。
とまあ、ここまでは腎不全患者の話だが、実は同じことが未病の人の体内でも起きている。腎臓機能が正常であれば、リンやカリウムを排出できるので、すぐに心不全や心筋梗塞を起こさぬわけだが、それも程度による。
身体機能はどんどん衰えていくので、どの辺くらいまでが大丈夫なのか、ある程度あたりを着けた方がよいと思う。
健康診断の時に渡される結果をファイルして、時系列的に観察するだけで、色んなことが分かる。「その近辺で何を食っていた」「体調がどうだった」などを照合すると、気を付けるべきポイントが分かる。
俗説(標語?)のひとつは「中高年にとって、ラーメンは愛人に同じ」。
週に1度愛人に会っていると、程なく家庭が壊れる。
ラーメンを週1で食べていたなら、程なく健康を害し、家計が壊れる。
ラーメンも愛人も、せめて月一度にしとけw。はい、どんとはれ。
追記)栄養士のババさん曰く、「せっかく調べて、色んなことが分かったのに、他の人には通用しないし、やってみてとも言えない」。
カリウム実験は、いざ線を踏み越えてしまうと、この世とオサラバになってしまう。ほんのちょっとの違いだ。