日刊早坂ノボル新聞

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◎病棟日誌 R061130 自分のアホさを思い知らされる

病棟日誌 R061130 自分のアホさを思い知らされる

 病院内でワイファイが決定的に繋がらなくなったので、先週はスマホ内蔵ゲームをやって凌いだが、そんなのはすぐに飽きる。

 おまけに土曜はましなテレビ番組がないので、ほとほと退屈する。

 「調教動画でも観られればいいのに」

 朝、車に乗る時に思い付いて、スポーツ新聞を買うことにした。もう15年は紙の新聞を買っていないから久々だ。

 新聞の競馬欄でも眺めてれば、時間を潰せる。

 ベッドに行き、新聞を開くと、そんな自分の考えが浅はかだったと気付いた。

 「俺の眼じゃ、新聞の活字が読めねえじゃないか」

 右眼は白内障だし、左目は老眼やら何やらだ。

 スマホの文字は読めぬし、PCだってポイント数を上げてようやく幾らか見える程度。

 新聞を放り投げて、ふて寝をした。

 同期ガラモンさんは、ペースメーカーの交換のために循環器の病院に入院していたそうだ。来週には戻って来るらしい。

 良かった。

 帰り際に、アラ四十女子のベッドに行き、郷里産のリンゴのを渡した。毎年、この時期には初セリに出た最初のリンゴと同じ樹から採取したものをこの子にあげている。

 だが、取引をしなくなったので、初セリで1個3万円見当のが来なくなった。

 「これは1個300円の普通のリンゴだが」

 この女子も今は首の血管に針を刺すようになっているから、「自分の番」をひしひしと感じているだろうと思う。

 そういう者には、やはり対応が「努めて優しく」なる。

 注射針が太いから、腕でもかなり痛いのに、首じゃあ、余計にしんどいよな。

この子は二十台の頃に、市販薬を飲んで一発で腎不全になったが、それからはただ耐える人生を送って来た。

 

 「ネットで『病身の17歳美少女』に化けて、世の男どもをだまくらかして遊ぼう。文章が俺が考えるし、画像など幾らでも作れるから」と誘うが、その気は無いようだ。金さえ騙さなければ、問題はないのに。

 ネットなんぞ大体はイカサマ師ばかりだわ。

 実生活で果たせなかったことをアバターにやって貰ったって、なんら構わんと思う。

 

 追記)殆どの人が勘違いをしていること。

 1年間の死亡者はざっと百万人で、死因はいわゆる四大成人病だ。腎不全患者(要透析)は、その年ごとの患者数が三十万人だが、多くがその年の内に亡くなってしまう。これは多臓器不全の果てに腎不全になる人が多いことにより、心臓病とか癌患者などで生き残った人が腎不全になることによる。病気の影響と言うより、薬物の方の寄与度が高いと思う。

 純粋に腎臓病でなる人と多臓器不全症でなる人の配分(割合)は、よく分からない。これは概ね亡くなる時には、直接の死因に分類されることによる。

 大体は心肺の機能不全で亡くなるから、「心疾患」「肺疾患」として分類される。

 以上を一言で言うと、「腎臓病棟は病気の終着駅で、癌や高血圧などで直接死なぬ場合には、必ずここに来る」ということ。多くの人が人生の最後の三か月から半年をこの病棟で過ごす。純粋に腎臓病で腎不全になる人の方がずっと少ない。

 私の病棟では、今年の年頭にいた患者の半数が今はいない。