日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

◎奥様感謝デー

奥様感謝デー
 家人は月曜が休み。
 前夜に「足腰が痛むから、日帰り温泉にでも連れてって」と言われたので、「それなら久々に名栗の大松閣に行こう。俺がご馳走するから」と答えた。
 大松閣には、離れの「山の茶屋」で食事をすると、入浴料が千円になるサービスがある。普段の日帰り入浴は千六百円くらい。

 食事と入浴のセットなら、コロナ以前に行ったきりだから、4年ぶりくらいではないか。コロナ期間は完全予約制だったので、行き難くなっていた。
 「何でも好きなものを頼んでいいよ。ステーキ御膳でも鰻御膳でも」
 「どうしたの?」
 「いや、ルメールっていう人のおかげだよ」
 家人はもちろん、何のことか分からない。
 「ルメールっていう人と、デムーロっていう人、それと武って人の三人が週末に活躍しないでくれると、俺は左団扇で暮らせる」
 「????」
 「さしづめ今週の有馬記念では、武さんんがぶっ転んで欲しい。金を集めてくれるからな」

 亡き母は、孫との対話機会を作るために、見よう見まねで馬券買いを始めた。週末の昼頃には、孫(当方の甥)が昼休みの時に新聞を開いて検討するから、その時の話題にするつもりだった。
 だが、母も面白さに嵌った。
 母のセオリーは「ルメール、デム-ロ、武豊」で、この内のいずれかを軸にして買う。
 良い馬に乗せて貰える騎手なので、本命党になるわけだが、その結果、母は馬券成績は生涯プラスのままだった。
 おいおい。「生涯プラス収支」の馬券師は、かなり少ないぞ。
 当方はもし税務署が馬券のアガリに課税しようとしたら、必ず焼き討ちにする。馬券師の9割以上が毎回マイナス勘定だ。

 「勝ちはひと刹那、負けが一生」が馬券師の世界だ。
 「生涯プラス」など「ほぼいない」から、国に資産を寄付しているのと同じ。それに課税しようなんて悪徳商人のすることだ。オメーラは送り付け詐欺のNHLにも劣る。
 ま、直接手を下さなくとも、呪詛にかけることは出来る。

 「ルメールは必勝法のひとつだが、しかし、俺は有力どころとか、ヒーローとかが好かんので」
 スーパーマンとか、ひたすら気持ちが悪いだけ。ゲロゲロ。

 デムーロ先生たちの業績や能力への敬意は示すが、馬券師にとってレースは「金になるかどうか」が物差しだ。
 今週末の有馬記念で、ぐりぐりの一番人気は武さまだ。
 ここは思いきり着外に沈んでくれ。
 2着3着ではダメだ。この馬の最後のレースは6着くらいで頼む。
 それで馬券師の8割は死に、当方ら偏屈者が大笑いをする。www

 オメーの馬には明るい種牡馬生活が待っているのだから、ここは不良に席を譲れよな。

 「え。何のこと?」
 「いやただの妄想だわ。とりあえずは毎週、ここに来て、好きなものを食べて風呂に浸かると良いよ」
 ま、このひと月は「脱ルメ作戦」が幾らか功を奏したわけで。

 だが、ルメちゃんも、武ちゃんも難敵だわ。デムちゃんは、最近、あまり良い馬に乗せて貰えないから、この人だけは応援するかな。母の御贔屓だったし。

 などという妄想を他所に、家人は喜んでいた。
 口に出しては言わぬが、家人にはもの凄く感謝している。
 当方のような「人生の悉くで負け犬」のような人間でも、コイツは見捨てないでいてくれた。
 ま、マイナスだが絶対値が高いから、二乗すればドカンとプラスになるわけで。