◎病棟日誌 R061224 紙一重
◎病棟日誌 R061224 紙一重
前日から喉の調子が悪く、咳、鼻水、痰。朝は熱が無かったが、病棟のベッドに横になっている間に上がり始め37.7分に。寒くて参ったが、これは発熱のせい。
若い人や割合健康な人であれば、何ということもない症状だが、当方らは抵抗力が落ちているから、結構しんどい。
肺炎なんかがすぐ間近にある。
熱自体は二時間で下がったのでインフルではないと思うが、医師は「気管支炎、扁桃腺炎はなかなか治らないですよ」と言いつつ、対症薬を処方してくれた。
父は介護施設にいたが、コロナに感染し、一日の内になくなった。高齢になると心肺が弱るから、ちょっとしたダメージが致命的な影響に及ぶ。
「俺も持病なりに弱っているんだな」と納得した。ま、同期入棟患者のうち生き残りの3人に入ったから、もう少し粘ろうと思う。同期の患者は、皆が痩せて来ているから、なるべく痩せぬように努力する。
これは前回の話。
看護師のTさん(女性)に「食事はきちんと食べられていますか?」と訊かれ、自分が何を食べたかを思い出そうとした。
ま、昨夜の食事などは憶えちゃいない。
だが、今朝、何を食べたかが分からない。
そこで、「俺はもう認知症かもしれん。つい一時間前に食べたものが分からない」と報告した。
血糖値が180だったから、必ず糖質を食べている。パンかご飯だが、その時何を置かずにしていたかが分からない。
するとT看護師は笑って答えた。
「全然大丈夫。まだ認知症ではないですよ。認知症の患者さんは自分が食事をしたかどうかが分からなくなります」
なあるほど。父も時々、「この施設ではご飯も出さない」と愚痴をこぼしていた。食べたことを忘れてしまうわけだ。
だが、直前で血糖値が180ということを知ったから「食べた」と自覚したわけで、それが無かったら「食べた」ことも忘れていたかもしれん。
怖いなあ。もはや紙一重だわ。
この日の話に戻ると、帰宅してからはひたすら横になっていた。脂汗が出て、咳が止まらず、咳止めの薬に加えて鎮痛剤を飲んだので意識が朦朧とした。
いずれ「風邪を引いたかも」からすぐに肺炎になりそのままあの世に行くのではないかと思う。それならあまり苦しくないので助かる。
周りにはミイラのような風貌になって、三日間泣き叫んで無くなって行く患者が沢山いる。最後はすとんと去るのが一番だ。
認知症の話と一緒で、「自分なんかいつ死んでも良い」と口にするのは、まだ全然「死」を間近に見ていない証拠だ。断末魔の苦しみを味わっている者は「もう死なせて」と叫ぶ。