◎夢の話 第1153夜 海から男が来る
◎夢の話 第1153夜 海から男が来る
2月5日の午前2時に観た夢です。
深い眠りから徐々に覚めつつあり、頭の半分くらいが働いている状態だが、体の方は動かない。そんな状態で観たイメージなので、「夢」と言えるかどうか。。
目の前に大きな水面が見える。ゆっくりとうねっているが、これは海なのか。
明かりが無く、目前の黒い水面だけが見えるから、判断がつかない。
ただ、細波が揺れるさまをじっと見ていた。
すると、程なく水面に黒い「何か」が浮かんだ。
水中から次第に上がって来るところを見ると、次第に岸に近づいて来るらしい。
頭が出て、次に胸くらいまでの高さが露わになった。
坊主頭の男で上半身裸だ。
「でかい奴だな。身の丈190㌢を越えていそうだ」
男の眼は真っ赤で、俺のことをじっと見ている。
すぐに、「コイツは生きている者ではない」と悟った。
してみると、この海みたいなのは海ではなく川か。三途の川かもしれん。
ある時は先の見えぬほど幅が広く、ある時は十㍍かそこらの小川だ。
あの世は主観的に構成される。
「また俺にお迎えが来たのか」
ぼんやりとそんなことを考える。
だが、黒坊主は水が腰までの高さのところに来ると、それ以上前には来なかった。
何で上がって来ぬのだろう?
答えはすぐに分かった。
「この川を越して岸の上に上がることが出来ないのだ」
なら、俺を連れに来たわけではなさそうだ。
だが、三十㍍先の男の姿が急に変化して、老女の姿に変わった。
「あれはお袋だ」
その一瞬後、今度は母の隣に老人の姿が浮かぶ。
「あれは親父だ」
二人で俺を迎えに来たのか?
母は小柄だから、波が寄せると体が大きく傾ぐ。
「ああ可哀想に。助けてやらねば」
思わず、三歩四歩と水辺に近づく。
だが、水が足に触れようとした時に気が付いた。
「あの両親は本物ではないな」
たぶん、さっきの黒坊主が俺を引き寄せたくて、親たちの姿に化けている。
俺が川の中に足を踏み入れれば、そこで俺を絡め捕るわけだ。
「この川自体が三途の川ではないな」
死者が三途の川を渡る時には、水に足を踏み入れるわけではない。
水の上を歩いて渡るのだ。
この黒坊主がそれを知らぬとなると、コイツは三途の川の手前にいるヤツで、要するに幽界を彷徨う幽霊なのだった。
「もし俺を手に入れられれば、色んなことが出来るようになるからな」
幽霊が人の魂との同化合体を試みる時には、相手の姿を極力真似るが、これは共感を手掛かりにしようとするものだ。相手の近しい者に化けるのもそういう流れから来たものだろう。
ここで覚醒。
目覚めて最初に言葉に出したのは次のこと。
「俺はもうこの世を去る時が近づいているが、お前と同化することは無いよ」
こういうのは頭で念じるだけでなく、声に出して言うことが重要だ。