◎夢の話R070604「到達」
◎夢の話R070604「到達」
六月四日の午前四時に観た夢です。
我に返ると、どこかビルの廊下に立っていた。
目の前を人が通り過ぎるが、ぶつかりそうな間合いで、俺のすぐ前を通り過ぎる。
「ああ、俺のことが見えないのだな」とぼんやり考える。
俺はまるで幽霊冷みたいな存在だった。
数時間ほどそのまま行き交う人々を観ていた。
十五㍍先はT字路廊下で、突き当りが窓だ。
T字の足の廊下に立っていたわけだが、頭の廊下を左右に人が行き交う。
皆がせかせか通り過ぎるが、不意に動きの遅い者が現れた。
「女だ」
四十歳くらいの女が、一人の後ろをついて行く。
女は着物を着ていた。
「どこかで見た女だな」
俺もゆっくりと移動し、女が去った方向に向かった。
やはり、その女は男のあとを尾けていた。
歌舞伎の役者のような被り物を被っているから、頭部がやたら大きく見える。
だが、すぐに気が付いた。
「あれは桂を被っているんじゃなくて、髪の毛がまるで水中にいるように四方に広がっているのだ」
まるでゴーゴンのよう。
男が部屋の中に入ると、その女も続いて中に入った。
「ふうん。あの女は昔よく見知った顔だった」
縞女だな。
縞女は金持ちに弄ばれ、川に捨てられた女の幽霊だ。
傲慢な男に取り憑いては。その相手を破滅させる。
俺はその部屋の番号をぼおっと見た。
頭がぼんやりしてうまく働かぬが、今の俺は他人から見れば、完全に幽霊なんだろう。
ゆらゆらと揺れながら、ゆっくりと覚醒。
目覚めた後、すぐに部屋番号の主を確かめた。
あのビルには幾度か言ったことがある。第二のほう。
「誰かが行く」と思ったが、それが縞女とは思わなかった。
取り憑かれた方は堪ったもんじゃないだろう。
追記)この女は、半年以上の間、眠るとすぐに夢に出た。
延々と、自分の身に何が起きたかを見せた。どういう除霊を施しても、まったく消えず、ひたすら「眠ると幽霊」の繰り返し。
ある時、「退けるのではなく、寄り添って理解しようとすれば、慰めることになるのではないか」と考え、対話を心掛けることにした。すると、その後は悪夢に魘されずにあっさりと眠れるようになった。