◎病棟日誌 R070712 「生年月日ならまだよい方」
◎病棟日誌 R070712 「生年月日ならまだよい方」
この日は検査日で、心電図やらレントゲンやらに回った。
検査前に、技師が「念のため、お名前と生年月日をどうぞ」と訊く。
当方はいつも昭和で答えるのだが、たまたまぼーっとしており、西暦の下二桁で答えようとした。
もちろん、出て来るが、一瞬、コンマ下5秒くらい躊躇した。
そこで、技師に軽口を言った。
「ああ、よかった。生年月日が出てこないかと思った」
すると、技師が「よくいらっしゃいますよ」と答えた。
自分の生年月日を忘れてしまうジジババが現実にいるらしい。
「じゃあ、生年月日くらいは別にフツーですね。名前を忘れるようなら深刻だけれど、まだましだ」
「それも時々いらっしゃいますね」
「自分の名前を?」
「はいそうです」
ゲゲゲ怖えな。「私は誰?」もじきに現実になる。
「私は誰?」と来ると、「ここはどこ?」がつきものだが、こっちは名前よりも早いらしい。順番は大体これ。
1)他人の名前が覚えられない
2)友人知人、家族の名前を忘れる
3)自分の誕生日がわからない
たぶん、この次あたりに4)自分の家を忘れる、がありそう。
最後が5)自分の名前を忘れる。
ちなみに、「昨日の夜に何を食べたかを忘れる」くらいだと、別に問題はないそうだ。
本格的にボケが始まると、「ついさっき自分が食事をしたことを忘れる」そうだ。
亡き父も介護施設にいる時には、時々、「ここはご飯すら出してくれない」とボヤいていた。
こういうのの進行には、個人差があり、早い人は五十歳くらいから万々進むそうだ。
「自分が自分でなくなる」のはさすがに怖い。