日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

◎病棟日誌 R070807「お稚児さまを預ける」

病棟日誌 R070807「お稚児さまを預ける」
 朝、Aさんのベッドまで行き、「お稚児さま」のキーホルダーを渡した。
 「鍵に付ければ扉を開ける時に必ず見ます。助けてくれますから」
 三十人くらいに渡したが、礼状かお礼のメールが来たのは二人だった。その二人には「絶対に偶然ではない」という出来事が起きたそうだ。加えて、この子が関わっている、とも。
 ま、基本的に素直に信じられる人であることが前提で、そこからプラス思考に結び付けられるようなら、手助けをしてくれる。
 殆どの人は、世間のお守りの一種だと見なす。
 説明が困難なのだが、願うことと信じることは違う。似ているが構図が違うのだと思うが、これは自分であれこれ経験しないと感覚的に分からない。秘跡は人を選んで起きる。

 あと「次にお寺に行った時に、大日如来のお札を貰って来てあげる」と約束した。
 家の中には、「お日さま」を入れる必要があり、進行によって違うが、どの宗教にも必ず太陽神が中心にいる。
 新党なら天照大神だし、仏教なら大日如来だ。
 Aさんは実家がお寺だったから、後者の方が向いている。

 Aさんは早くに夫と死別し、娘は他家に嫁がせ、母親と一緒にこの地に移り住んだ。母親が亡くなってからは独りで暮らしている。息子が一人いたそうだが、この息子がDVで、母親に暴力を振るった。これを避けるために、別居することにしたそうだ。
 総てが絡み合っている。

 治療中にAさんが看護師に話すのが聞こえたが、声が明るくなっていた。朝にはロビーでぐったりと長椅子に倒れていたのに。
 お守りを渡す時に、「必ず助けてくれるから」と渡したが、少しは足しになったのか。
 心の持ちようで、外界は違ったように見える。
 こういう境遇の人には、お稚児さまが手助けしてくれると思う。
 
 ひとの命は有限で必ず終わりは来る。
 それは仕方のないことだ。出会いもあれば別れも来る。
 だが、日々の暮らしの中で「信じる」コツを習得すると、捨て鉢にならずに済む。

 注記)眼疾があり、文字が殆ど見えません。誤変換があると思います。