日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

夢の話 第96夜 大災禍

先ほど仮眠中に見た夢です。
居間のテレビの前で眠りに落ちてしまいました。隣では妻が中国の武侠ドラマを見ていたはずです。

気がつくと、私はエレベーターの前のソファに座っていました。
隣の鉢植えは、南国風の椰子の木です。
あれ。ここはホテルだ。しかも窓から覗く景色はバンコクあたりの街並みです。
私がいるのは坂を利用した建物で、1階から5階までが斜め段々に続く変則的な形をしています。上は16階くらいまであるような感じですが、全部は見えません。

妻がやってきます。
「オトーサン。このホテルは私のものになった」
妻は50代半ばに見えますので、十数年後の状況です。
「よく買えたよね。ずいぶんヘソクリを貯めてたねえ」
「エヘヘ」
そこで電話が鳴ります。妻が出て、なにやら話をしています。
「お客さんが来たって。ちょっと打ち合わせをしてくる」
独り残され、やはりソファでボーッとしています。

トイレに行きたくなったので、立ち上がり、辺りを探すと、上の階に続く階段の途中にその掲示が見えます。
えっちらおっちら、階段を上がり、トイレに入りました。
あれれ。
トイレの便座がやたら低く、数センチくらいしかありません。
「これじゃあ、水を流せば、溢れて足が濡れてしまうよね」
それ以前に、小便をしたらそのままそれが溢れて靴が小便で汚れてしまいます。
ここで気がついてみると、便座も床も陶器でできておりひとつながりになっていました。
だめじゃん。
小用をあきらめて、ドアの外に出ます。

数歩歩くと、最初の部屋のドアが開いています。
中には日本人らしき男性がいて、こちらを向きました。
奥のベッドには東洋人の女性が寝そべっています。キャサリン・ゼタ・ジョーンズという女優さんを若くしたような美女です。
「ここのトイレ、使いました?」
挨拶代わりに尋ねてみると、男が「最初は気になるんだよね~」と答えました。

当面、何をするという予定がありません。
エレベータに乗って1階に降りると、フロントの中の従業員が皆会釈してきました。
ふうん。やっぱりオーナー(妻)のダンナって役回りらしい。
外へ出ると、数ブロック先まで高層ビルが並んでいます。
すごいね~。都会のど真ん中のビルを買ったのですか。

突然、グラグラと地震が来ます。
うへえ。結構大きな地震です。
揺れが収まった後、周囲の人と顔を見合わせ、「びっくりですね」てな表情を交わします。
数分後、2ブロック先の人たちが、大慌てでこちらに走り出すのが見えました。
何事でしょう。
間髪置かずに、ビルの両側から大津波が押し寄せてくるのが見えます。
5階くらいの高さです。
ありゃ。こいつは大変だ。
体を返し、山手の方に向かって走り出します。

津波はたった200メートル後ろなので、かなりヤバそう。
100メートルほど走ったところで、振り返って見たのですが、もう真後ろで、たちまち追いつかれてしまいました。
ザッパーンという音とともに飲み込まれます。

水面に顔が浮かぶと、私は周囲の人数百人と、激流に乗って流されつつありました。
普通は、様々なモノが一緒くたに流されるので、これにぶつかりケガをしたり、溺れたりすると思いますが、流れているのは人だけです。

流されながら、「すぐには死なないな」と気づくと、心に余裕が生まれます。
辺りを見回しながら、それでも水の流れに乗って、何キロも流されていきます。
途中、自分がお財布を持っていることに気づきました。
あれ、これは昔自分で持っていた財布だ。風水では黄色が金運を呼ぶとのことで、妻がプレゼントしてくれたものです。
こんなのいずれ流されちゃうだろうな。
口を開け、札だけを取り出し、ポケットに入れます。
病院で払う必要があるかも。この津波じゃあ、金はいらんかもしれないけど、とりあえずね。

周囲には私と同じように流されている人がざっと200人くらいいます。
先の方を見ると、500メートルくらい先には壁があり、波はそこにいったん衝突し、左右に分かれていくようです。
ああ、あそこに激突したら、死ぬよね。
実際、前を行く人たちが壁にぶつかり、ぐしゃぐしゃになっているのが見えました。

「あれじゃあ、私たち、ダメだよね」
隣にいた若い女性が、悲し気に言います。
「ああ。どうやらもうじき皆死ぬらしい」
女性が悲痛な表情になります。
壁が次第に近づいてきており、目の前一面に拡がります。

ここで覚醒。
「水は感情」で、洪水は感情が溢れ出るさまを示します。
日々の生活の中での心の記憶を、洗い流しているようですね。