日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

勝負の世界

 オリンピックが成功裡に終わり、本当に良かったと思います。ネットの世界では、日本人の否定的反応を鼓舞するような輩も沢山いたようですが、一般の日本人はそれほど狭量ではなく、「きちんと成功してほしいし、中国人民が誇れるような成果となってほしい」と思う人が大多数だったろうと思います。私本人は中国の知人がいますので当たり前ですが、周囲でも五輪の成功を願わない人は1人としていませんでした。あくまでスポーツの祭典ですので。

 日本はあまり多くのメダルは取れなかったけれども、基本的に今なお個人資格中心の分野ですので当たり前かなとも感じますね。国の誇りと位置づけるなら、日本の経済力であれば、金メダルには7千万円、銀に5千万円、銅に3千万円くらいの報奨金を出して当たり前でしょう。財産を投げ打って競技に参加し、メダルが取れないからといって、「国の恥」のように言われるのでは身もフタもありません。
 もっと金を出してから言えよなって話です。

 一方で「負けるべくして負けた」という競技もありますが、もちろんその代表は野球。敵はキューバアメリカで、「アメリカの選手がマイナーリーグ中心であれば、キューバしか敵はいない」という気持ちがアリアリでした。
 スポーツに限らず、実力の無い勝負師の典型的なパターンは、「1度勝つと、相手より自分の実力が上」だと見なすタイプで、こういう人には2度目はありません。なまじっかWBCで勝てたのが災いし、最後にはやはり「日本は金か悪くとも銀」という気持ちになっていました。
 実はこれは私も半ば同じ。でも、勝負を甘く見ればこんな結果になります。
 結果が総てであるのもこの世界の常で、その意味では星野監督には次も、リベンジの機会も回っていきません。何せ、米マイナーリーグ級にコテンコテンに負けてます。
 精神野球のままでは、また負けます。勝負は1度きりで、負けた者に「次」はありません。

 柔道だって、いい加減に思考を切り替えるべき。
 世界で勝てなくなったのは、この競技が世界的に定着しているためで、別に勝てなくとも日本人の恥とは思いませんが、指定選考試合で勝っていないのに「過去の実績」で選ぶというのは最大のまちがい。
 本戦までに十分な期間をおき、1度の選考試合で勝った者を代表とすべきですね。その代表が勝っても負けても、常にリーズナブルで納得できます。
 特に、選考試合で「勝ったのに代表にしない」ことで、若手がどれだけ腐っていることでしょうか。
 十年、二十年の期間で、世界では勝てなくなっていると認識すべきだろうと思います。いまや世界一の柔道大国はフランスでしょうが、今回、フランスも勝てなかったので、交流を深め、「世界」に対抗できるような技術を高めるべきだろうと感じます。
 フランスの選手の柔道では、日本人より日本的で背筋がピンと立っている選手がいて、気持ち良かったです。
 ルールがどうのこうのと言うむきがありますが、それなら五輪とは別にワールド・ジュウドウ・クラシック(WJC)を開催すれば良いだけの話です。

 ついでですが、来年のWBCの組み合わせには笑えましたね。
 前回の上位国である、キューバ、日本、韓国が同じブロックで、アメリカは別のブロックになってます。前回は「日本や韓国と同じブロックなら決勝進出は当たり前」で、キューバプエルトリコとは別になっていましたが、根拠無く編成替えになってます(笑)。
 WBCが基本的に興行であり、営業的にはアメリカが決勝に残ってくれないと困るというわけです。でもそういう思考は五輪での日本に相通ずるものがあり、大体はカナダとかプエルトリコに負けると思います。もちろん、日本代表とか韓国代表が、1年間160試合をマイナー(3A)で戦ったら、たぶんケツのほうの成績になるとも思います。なにせ、ゼニあっての物だねで、名誉のためだけでは160試合(162でしたっけ?)はとても続きません。