日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

どちらが美人?

体調がいま1つでしたので、昼から家でDVDを見ました。
隠し砦の三悪人」・・・もちろん、50年前の黒澤明さんの作品です。
もう何十回見たことやら。

三船敏郎さんは、いつも「もしかして芝居の上手な方ではないのでは」と思うのですが、逆にそこが無骨な侍のリアリティを生み出しますね。
終盤の馬上での動きはスゴイのひと言です。
左手1本で女性を馬の後ろに引き上げるシーンは、いつもドキッとさせられます。もちろんスタントマンなのでしょうが、あの女性も危険な技をこなしていました。どのくらい稽古したことやら。

世界中の多くの人が指摘するとおり、三船さんが最初に斜面を下ってくるときの脚の筋肉とか、何度見てもスバラシイです。
黒澤監督もそうですが、日本の戦後史の中に三船さんがいてくれて、本当に有難うと言いたいです。

千秋実さんや藤原釜足さんは黒澤映画にはなくてはならないバイプレイヤーで、私は「七人の侍」の時の千秋実さんの役名の「平八」を自作に使わせてもらいました。もちろん敬意を表わすためですよ。

金を仕込んだ薪が軽そうに見えるとか、戦国では下々一般の人を指す「百姓(ひゃくせい)」を、江戸の農民を指す「ひゃくしょう」で使っているとか、細かいところは別にいいかなと思ってしまいます。
映画の「総て」がここにあります。

反対に、ネットの映画評で「この時代に関所があるのはおかしい。関所は江戸時代にできたもの」とか変なことを言っていた人もいましたが、関所自体はかなり前から存在してますね。仲が悪い国の間には、もちろん関所はありました。黒澤映画の時代考証はどれをとってもかなりのものです。

雪姫役の上原美佐さんは、いつ見てもステキです。
モノクロ映画なので、きついメイクなのですが、表情といい立ち姿といい惚れ惚れします。
21歳くらいのときに、初めてこの映画に出て、2年も経たないうちに引退なさったのですねえ。
上原さんと「ローマの休日」のオードリー・ヘップバーン嬢のどちらが美人かなどと考えると、かなり悩みます。

映画ってホントーにいいものですね。
この1週間で、あと3、4回はこの映画を見るのではないかと思います。

ちなみに私の場合は、僅差で上原さん派です。