日刊早坂ノボル新聞

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解説「九戸戦始末記 北斗英雄伝」: 天魔源左衛門という人物

天魔源左衛門は謎の人物である。
16世紀の末には南部地方、北郡(きたのこおり)の七戸家国の配下の者だったようで、乱破衆すなわち忍者であったと伝えられる。
現在でも、下北に向う手前に「天間」という地名が残っている通り、実在の人物だったようである。
だが、どのような人だったかは、ほとんど伝えられていない。

天正18年に死んだという説もあるが、翌天正19年の九戸の乱の際に、九戸に加担し篭城に至った地侍の名前の中に「天魔館源左エ門」の名が見える。天魔館とは館名であり、居城を指したものだろうから、おそらく天魔源左衛門のことを指しているのであろう。
1年前に死んだ者が、再び篭城に参じているというわけである。

これが面白く、「北斗英雄伝」の中では、男子は多く同じ名を持つ乱破衆の一族として、キャラクターを設定した。
「北斗英雄伝」の後、予定している「主殺し」という物語は、三迫で九戸政実が斬首されるまでの話で、さらに疾風が石川五右衛門として秀吉の命を狙う「秀吉の首」に発展する。
天魔源左衛門には、そのいずれの話にも登場してもらうつもりである。