蕎麦屋に入りました。
結構混雑しており、空いている席はカウンターの隅だけです。
ひとまずは、その席に座ります。
隣は30歳くらいの自由業っぽい男。
スポーツ紙を読みながら、セットものを食べています。
買いたてと思しきドリップコーヒーの器具が脇に置いてあります。
視線を横に移すと、蕎麦屋の店員が1人、カウンターの傍らに立っていました。
20歳前後かな。つい3ヶ月前に田舎から出てきましたって感じです。
その店員が唐突に私の隣の男に話しかけます。
「インナーってどういう意味ですか?」
話しかけられた男は、無言のまま新聞を読んでいます。
(聞こえなかったのだな。)
店員が再び声を掛けます。今度は先程より大きな声。
「すいません。インナーってどういう意味ですかあ?」
「え」と隣の男が顔を上げます。
店員が指差す先には、コーヒーメーカーがあります。
箱に「インナー50枚サービス」と書いてありました。
ドリップコーヒーの「インナー」って何?
聞いたことないぞ。
隣の男も同様で、やはり首を捻ってます。
「インナーって、内側のものってことだよね。ううむ」
思わず、口を挟んでしまいます。
「フィルターのことではないのかな。他に内側にセットするものはないし」
しかし隣の男は不審げです。
「フィルターならフィルターって書きますよね。何でしょう」
3人でしばし首を捻ります。
ここで覚醒。
まったく意味がわかりません。
蕎麦屋にも行っていないし、コーヒーメーカーに類する記憶もなし。
フィルターだけは、家のは今切れてます。
「おかしいぞ」と思う間もなく次の夢に突入です。