日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

世界一価値があると言えるのか(異様に高い携帯通話&携帯メール)

震災・津波が発生した直後、世界中の親戚知人から、連絡がありました。
今や、世界各地と携帯電話で直接通話が出来ますし、携帯メールもダイレクトで送受信できます。
 
被災状況に関するやりとりが終わった後、しばらくして、世界中からクレームが来ました。
「お前たちは、身内との電話で商売をしているのか!」
多く商業利用で使うシステムで、通話、通信をすると、料金のうち何割かをペイバックしてくれるものがありますが、それではないかということです。(ひと頃問題になった「ダイヤルQ2」を想像するとわかりよいです。)
通話にせよ、メール受信にせよ、日本のシステムだと、受信者側にも請求がいきますが、その金額がとてつもない額だとのこと。
カナダ、ニュージーランド、オーストラリア、フィリピンその他の国から、まったく同じ連絡が来ました。
口の悪い知人には、泥棒呼ばわりされました。
 
なるほど、携帯通話の日本の最高価格が、ソフトバンクの「3分で120円」ですが、これは世界に類を見ない水準ということです。「ソフトバンク携帯と通話した場合」のAUの最高価も120円(相手が他の会社なら少し安い)。
また文字メールについては、「料金はほとんどかからない」のが、世界標準。
そう言えば、初期の携帯メールは、1回7円だった時代もありますね。
それがいつの間にか情報量単位で課金されるようになり、「パケット」てな奴が現れました。
定額契約にしないと、ネットに繋いだだけで数十万円の課金がなされます。
PC利用時と比べ、ケタ違いに高い。ハード上(設備投資)の相違が、どれだけあるのか。
まことウソ臭い展開ですねえ。
 
日本人の大半がそのことを知らないか、あるいは知っていても如何ともしがたいのか。
そう言えば、政府が開いた震災直後の外国プレスへの説明会で、ある外国記者が「日本は、政府と大資本が緊密に癒着している」と指摘していましたね。
 
日本人のすばらしいところは、政府と資本があからさまに国民をボッタクッているのに、誰1人として暴動を起こさないところです。
何せ日本では、同業者(AU)が、同業者(SB)に対し、同業者間の料金が高すぎるとして、提訴するくらいの業界ですよ。ちなみに、この高いと提訴された価格が、20円(確か1分当たり)。
3分換算だと、顧客への請求が120円で、そのうち60円が仕入れに消えます。
なるほど、文句も言いたくなるわけだ。
でも、客の方は、仕入れにさらに利益が乗っけられるので、同業者よりはるかにボッタクられているということです。
 
日本の情報通信システムは、世界一価値がある物なんでしょうか。
「失われた20年」を30年、40年にしないためには、生産部門をどうにかする以前に、流通や通信部門への「法外な利益供与」をやめさせることが重要ではないでしょうか。
某社長は、惜しみなく社会貢献や復興に力を貸すような言動をするけれど、その資金は国民一般からボッタクッた金ですよ。
 
これで思い出したことがあります。
昔、田中角栄元首相は、派閥の若手のことを、信じられないくらい手厚く面倒を見たそうです。
お金が必要な若手に、黙って3倍の金を渡したことなどが、今になり、その人柄を偲ぶ論調で語られます。
この話だけを聞くと、まさにこの人こそ「大将の器」です。
でも、その行為を支えるお金は、賄賂で得たもので、特定の企業に利益を供与した見返りです。
やはり元総理は、たとえ身内的に「良い親分」でも、特定の企業や個人だけに便益を与える「悪い政治家」です。
 
ところで、携帯電話にせよ、モバイルPCにせよ、標準的なひと月料金は、5千円から8千円程度だろうと思います。
ほとんどが、一定の利用条件に達すると、それ以後の課徴金がなくなるという「定額」システムになってます。
でも、これをよく観察してみると、落としどころの5~8千円が最初に決められています。
最近、出張に備え、モバイル端末を購入したのですが、使い方により色んな料金設定になってます。
しかし、実際に接続してみると、ただ繋ぐだけで、5、6分で定額ラインに達してしまいます。要するに、繋いだら最後、満額が課徴されるということです。
コースの設定なんて意味無いですよ。どうせ、1度接続すれば、その金額になってしまいます。
ウソ臭いというか、詐欺的だというか。
 
経済の基本は、商品(ここではモノの意)であって、サービスではないです。
情報通信産業がはばを利かすうちは、復興なんぞ出来やしません。
もっと具体的に言えば、百億円寄付しようが、クリーン発電のシステムを提唱しようが、その基盤になっているのは、元総理よろしく、ユーザーから騙し取ったのと同然の金だということです。
料金を世界標準に近づけるほうが、よほど世のため人のため、日本のためになると思いますね。
 
情報通信にかかる費用は、今や公共料金と同じです。
国際標準価格と引き比べ、適正かどうかは、通信事業を認可する官庁の仕事ですが、大体は企業にとって都合の良い結果になってます。なぜなら、企業に都合の良い結果を出せるように、調査を設計するからです。
この辺が、政府と大企業の癒着と指摘されるところです。
(確信を持って、そう言えるのは、私自身がそういう御用調査の業界に長年いたから。)
 
どこでの良いので、いずれかの企業に、「そんなの誹謗中傷だ」と訴えてもらえれば、公の場で実証出来ます。かつ、勝訴すれば費用はぜんぶ相手持ち。心待ちにしてますが、今のところはネームバリュー的に相手にはしてくれんでしょうね。事実を調べるのが本来の仕事だったので、少し残念です。