日刊早坂ノボル新聞

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天皇賞での勝負の「あや」

勝負ごとの運気を損なう行為とは、事前にペラペラと他人に予想を話すことと、勝負が終わった後に結果を吹聴することのようです。なるほど、馬券予想師の大半は、まるで当たらないですね。自ら運気を下げているわけです。
そのルールに抵触しないように、「勝負のあや」だけに触れたいと思います。
 
レース前に、ソコソコの人気を集めていたギュスターブクライでしたが、間違いなく「いいとこ掲示板がやっとこさ」だろうと思っていました。
前走は見事な走りで、途中逸走したオルフェーブルを退け、1着になったわけですが、これが負担重量55キロでの成績でした。天皇賞では、一律58キロなので3キロ増です。
1千メートルにつき、「負担1キロあたり0.2秒の時計差が出る」という説に立つと、0.2秒×3kg×3.2km=1.92となります。
同じ体調で、実力を出し切ったとして、1.92秒ほど余計に掛かります。
結果によれば、ビートブラックが3分13秒.8で、この馬が3分15秒1。1秒3の違いで、よく頑張ったとみるべきです。
 
問題はオルフェーブル。競馬に限らず、勝負ごとの際に、絶対にしてはならない行為は、勝負にあやをつけること。
いかさまをしたり、紛れを演出したりすると、その場だけでなくツキを落します。
オルフェーブルは、やはり体調や集中力云々よりも、前走で、レース中にあやが付いたことの方が問題でした。
「今回、1着2着は無理なのでは」と思いつつも、普通に走ったら3着以下は考えにくいところです。
しかし、案外、「落馬着外」などは、ありそうな感じでした。
 
ここで競馬のセオリーを思い起こします。
「長丁場は血で走る」、「長距離は騎手で買え」と言います。
まず血統ですが、長距離と言えば、リアルシャダイブライアンズタイムでした。しかし、もはや彼らの産駒はいません。
そこで春の天皇賞の過去の勝ち馬を見ると、ジャングルポケットマンハッタンカフェとあります。
実際に、彼らの子どもたちは、中長距離適性が歴然ですね。
そうなると、ジャンポケ産駒がジャガーメイルトーセンジョーダンで、マンハッタンがヒルノダムール
なかなか良いんでないの。
これに、長丁場が合いそうなナムラクレセント菊花賞で上位だったビートブラックあたり。
この2頭は、どちらかといえば、単に「好きな馬」でもあります。今回は調教の具合も、なかなか良い感じです。
 
しかし、主力が5頭では、三連複と単が馬券の中心ですね。
何せ、オルフェーブルが3着以下の予想なので、これ以外、何が来ても「当たり前」です。
フォーメーションで、1着2着に上記5頭を充てます。
点数が多いぞ。2着までで、複が10通り?、単が20通り?てな具合。
これに3頭目をバラバラ増やしたら、エライこっちゃ。
 
しかし、3着候補にオルフェを入れなくともいいの?
しばし、考えた末に、「ええい。切っちゃえ!」。
コイツはもうツキを落としている。きっとゲートが開いた直後に落馬でしょ。
そうなると、オルフェーブルを捨てているのに、3歳時にコイツに勝てなかったウィンバリアシオンなんぞ、残せませんよ(笑)。絶対に残すかってえの!
(オルフェーブルの気性難とウィンの能力はまったく関係ないので、脈絡が無い論理ですけど。)
 
実際のレースでは、1着ビートブラック→2着トーセンジョーダンと入線し、後ろにはジャガーメイルが。
好きな馬2頭からのジャンポケ流しは、直前に少々買い足してありました。
しかし、「よっしゃあ!」と叫んだのはつかの間で、直後のビデオを見ると、ウインバリアシオンにやられていました。
よりによって、切り捨てた4歳馬です(ため息)。
現4歳馬は、レースぶりからみて、なんとなく例年より能力が落ちるように見え、ついつい軽視してしまいます。
明け4歳で古馬混合の最初の数戦は、実力以上の人気になります。(やっぱり来ず。おかげで、高配当続出となり助かりました。)
 
天皇賞で馬券は取れずとも、レース自体は面白かったですね。
読みもソコソコ良い線です。
オルフェーブルは、すっかりやる気とツキを落としたので、次もダメだろうな。
馬はレースのことを頭で考えて走ったりしません。一説によると、馬に「勝負根性」などというものは存在せず、本能で「(危険から)逃げている」だけだとも言います。
馬が危険を感じるのは、周囲が一斉に同じ方向に走り出すから。
 
さて、もう一度、オルフェーブルを押さえつけずに、気分良く走らせることができるでしょうか。
ひとまずは、「ががっと行って」も、どうにかなりそうな中距離路線で再構築すべきでしょ。
再び持ち直すまで、半年はかかりそうですね。
 
今回の天皇賞では、一瞬だけ、「何百万当てたのか」と想像する瞬間がありました。
ビート→トーセン→ジャガーの並びなら、買い目の3点目くらいですね。
しかし、ま、大体はこんなもんです。
勝負ごとは、悪い男(または女)と同じで、「少しだけ夢を観させてくれ」さえすれば、見切って別れたりしないもんです。
よって、死ぬまで競馬はやめません。
 
しかし、今年の中長距離の重賞戦線は、判で押したような逃げ残りばかりです。
天皇賞では、正確にはビートブラックは逃げていませんが、2頭で逃げたようなものです。)
逃げ馬と言えば、次は安田記念シルポートあたり。
逃げに逃げ、後についてきた馬を粉砕し、名実共に「破壊王」になって欲しいものです。