日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

夢の話 第232夜 人形の町

朝から遠出する予定があり、早めに起きたのですが、出発前30分のところでうたた寝をしてしまいました。これはその時に見た夢です。

我に返ると、車を運転していた。
どこか郊外のバイパスを走っていたのだ。
対向車はなく、後ろに続く車もない。
少し疲れたので、何軒かの町並みの間に駐車スペース(兼公衆トイレ)を見つけ、車を寄せた。

用を足し、外に出て、背伸びをする。
何か変な感じがある。
「おかしいな。なんでだろ」
周囲は林があり、その先は田園地帯なのに、何とも言えない違和感がある。
少し考えさせられたが、程なくその理由がわかった。
鳥の声が聞こえないのだ。
野鳥の姿がまったく見えず、周囲に動くものがない。
「作り物みたいなところだな」

駐車スペースの奥には、地元野菜を売る小さな小屋があった。
その隣には自動販売機が数台。
「ジュースでも買おう」
店のほうに歩み寄る。

店は開いていたが、人影がまったく見えない。
「日本じゃあ、滅多に野菜は盗まれないとしても、レジもそのまま。不用心だよな」
少し覗いて見たが、陳列台には西瓜の箱が並んでいるだけで、野菜も果物も見当たらない。
(なんだか、生活感がまるでないなあ。)

車のところに戻る。
道の向かい側には、何軒かの商店が並んでいる。
なんとなく道を渡ってみた。
すぐ前が中華料理店。玄関が開いており、「営業中」の札が掛かっている。
しかし、店の中には誰もおらず、しーんとしたままだ。
その隣はクリーニング店。こちらも人気はなし。
その隣は〇〇タの中古車店だが、ドアが半開きのまま車が放置されている。

「わあ。これって、昔のテレビドラマにそっくりだな」
それは確かトワイライト・ゾーンのエピソードの1つだ。
ドライブ中、ある街に立ち寄った主人公は、その町の住人がぜんぶ人形だっていうことに気づく。
主人公は驚き怖れ、生きている人間を求め町中を探し回るが、見つからない。
オチは、その町はある少年の持つ「おもちゃの町」で、主人公は実はその中にいたのだという話だ。
子どもの頃にその番組を見たが、あまりに怖くて、それから何日かの間眠れなかった。
なにせ、自分がおもちゃ箱の中にいるということは、自分も人間でなく「おもちゃ」、すなわち「作り物」だということだからだ。

中古車店を通り過ぎると、その隣はハンバーガー屋だった。
「良かったなあ」
その店の入り口からは、音楽がじゃかじゃか漏れていた。
カウンターには、若くて小奇麗な女の子が立っている。
「おお。なかなかカワイイよな」
小腹も空いていることだし、ふらふらと中に入って行く。

カウンターの上には、メニュー幾つかの写真が飾られていた。
スタンダードなバーガーに加え、新メニューも並んでいる。
「それでも、やっぱ、〇〇バーガーで注文するのは〇〇バーガーだよな」
カウンターに手をついて、店員に注文しようと視線を下げる。

「おいおい。勘弁してくれよ」
カウンターの中にいたのは、タレントのゴーリキ・〇〇〇に似たマネキンだった。
これじゃあ、本当にトワイライト・ゾーンそのままじゃん。

ここで覚醒。

「そこいら中にマネキンが立っているかも」と思い、ゲンナリしました。