日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

「女影」(埼玉県日高市)

イメージ 1

家人は月曜が休みなので、この日は2人で郊外に出かけることにしています。
(住んでいるところも田舎ではありますが。)

最も多いのは、日高を経由して名栗や秩父方面に行く道筋です。
日高市に入って少し経つと、信号に看板が見えます。
「女影」
うわあ。女影(おんなかげ)だあ。
信号のすぐ脇には、何か記念碑か小さい塔のようなものが立っています。

「いったい何でまたこういう地名になったんでしょ?」
「昔、外で浮気してきたダンナが家に帰ったら、どうにも外の女の匂いを引きずっている。いわゆる『女影がさす』状態だ。奥さんは怒り狂って、ダンナが寝ているすきに殺してしまった、とか」
思わず興味を惹かれる名前ではあります。

「写真を撮っておけ」
「カメラどこだっけ」
「信号が変わってしまう。急げよ」
てな具合で、ついついよそ見をしてしまいます。

信号の先は緩い右折カーブです。
なぜかここでは、カーブを曲がり切れず、ガードレールに突っ込んだ車を見ます。
おそらく、わき見運転をして、前のカーブに気づくのが遅れるせいだろうと思います。

ちなみに、ここは「おんなかげ」ではなく、「おなかげ」と読むようです。
昔の豪族の名前(要するに「女影(おなかげ)氏」で、この名は『吾妻鏡』にも登場するようです。

家人の素朴な疑問によると、「女影がさす」とは言うけれど「男影」という使い方はしない。
「女は付き合っている男の気配が出ないの?」
ダンナの答えは次の通り。
女が男に惚れれば、その瞬間よりその男一辺倒で、影どころか「看板」になってしまう。
別れた女のことをぐじぐじと想い続けるのが男なら、女は別れればスッパリ気持ちを切り替える。

要するに、「影なんか出ないんだよ。常に自分が太陽なんだから」。
これがオチです。