日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

とにかく「金をくれ」

妻は外国籍で、英会話の講師です。
必然的に、講師仲間と色んな話をします。
これはその仲間から聞いた話のひとつです。

マリー(仮名)はアラ40。
日本人の夫を持ち、日本で暮らしている。
子どもは今年成人した息子と中学生の娘の2人。

ある日、マリーの夫宛に国から手紙が来た。
内容はこうだ。
「マリーは20歳になるまで私たちが育てた。その時に掛かったお金を払ってほしい」
しかし、マリーの両親は既に亡くなっており、故国には兄弟姉妹がいるだけだ。
手紙はその兄弟から送られたものだった。

夫はマリーに、この手紙について問い質した。
「何か兄弟から金銭的な世話になったことがあるのか?」
マリーは「ごく普通に一緒に育てられただけだ」と答えた。
そこで、夫はその親族に確認した。
「マリーを育てたのは親たちだ。なぜあなた方がそんなことを要求するのか」
国の身内の答えは「俺たちも手伝った。だから金を払え」というものだった。
要求には根拠らしい根拠は無く、ただの「たかり」だった。
もしかすると、「自分が要求することで相手が応じるかもしれない」。
ただそれだけで金をせびって来たのだった。
おそらくは、自分たちはあまり恵まれた境遇にないのに、家族の中で「マリーだけが外国で幸福で暮らしている」という意識がその背景にあったのだ。

夫はこう答えた。
「なぜ本人ではなく俺に言う。そのことが俺に何の関係があるのだ」
親族のほうは、「あんたはマリーのダンナだ。だからアンタが払え」と言い張る。
マリーは専業主婦に近いから、お小遣いはさほど無い。
だから、夫を標的にしたのだ。
手紙を送るだけでなく、この親族たちは連日連夜電話を掛けて来るようになった。
「マリーは俺たちに借りがある。その借りを払え」
もちろん、コレクトコールだ。

夫はついに切れ、親族に叫んだ。
「いい加減にやめないと、親族の縁を切る。これまで、クリスマスにマリーがプレゼントを送ってきたが、それも一切止めさせる。あるいは、お前たちのような身内を持つ女なんか、このままお前たちに返してやる。それでいいか!」

この妻の親族の要求は、単なる「言いがかり」ですが、こういう要求をしてくるのが、むしろ「世界標準」です。
日本人が相手に譲歩しそうな気配を見せると、際限も無く要求が続きます。
一番、ヘタクソな対応は、要求に応じ「何がしかの金を払ってしまうこと」で、いざそうなったら、その後で何十倍、何百倍の要求が来ます。

このための解決法として法律があるのです。
「法律上、妥当か」どうかという観点をもって対処しなくてはならないと思います。