今朝方、トイレに起きた後で観た短い夢です。
気がつくと、街中に立っている。
「ここはどこだろ」
どこか懐かしい景色だ。
最初から「今、自分は夢の中にいる」という自覚がある。
こういう感じの夢をこれまで幾度となく観て来たからだ。
ショーウインドウのガラスの前に立つ。
ガラスに写っていたのは、まだ25歳くらいの自分の姿だった。
「オレは何でここにいるんだろう」
すぐに思い出した。
旅が終わり、郷里に帰ろうとしているのだ。
父や母が待っているあの家に。
目の前に、ロータリーが見える。
バス停と路面電車が停まっていた。
所領の頭に掲げられた行先を見る。
聞いたことの無い地名だ。
まず最初に、ここがどこかを確かめねば。
街中の方に歩き出す。
坂が多い街だ。
四国のどこか?
温泉街らしく、昔風のパチンコ屋や射的場がある。
裏通りには小さなストリップ劇場まで建っていた。
草津あたりにも似ている。
角を曲がると、道の端に露店が沢山出ていた。
インド人のような風貌だ。
マレーシアやシンガポールにもこんな所があったっけな。
どうやら、オレの記憶の端々を継ぎ合せて出来た街のようだ。
最初のロータリーだけは、本川越の駅前に似ている。
本川越には路面電車はないけどね。
九州なら今も現役で走っていることだろ。
いつもの夢では、オレはまずバスに乗って、高円寺みたいな駅に向かうはずだ。
そこから電車に乗って、千葉のどこかの駅で乗り換える。
そこから深夜急行で何時間もかかって、父母の待つみちのくに向かうのだ。
じゃあ、とりあえずロータリーに戻り、バスに乗ってみよう。
今は長い放浪の旅を経て、故郷に帰ろうとするところ。
これからオレは故郷のあの家に戻り、そこで土に還る。
父母の眠る墓の隣に入り、ようやく長い眠りに就くことが出来るのだ。
それまで、あともう少し。
ここで覚醒。
旅の終わりは人生の終点でした。
夢の中では、父母は既に死んでいることになっていますが、現実には二人とも元気です。
夢の中でイメージしていた「郷里の家」とは、小学生の頃に住んでいた家のことでした。
あの家で亡くなった祖父は、たまに家に戻って来ているような気がします。
たぶん、実際に自分が死ぬ時も、最初にあの家を訪れるのだろうと思います。