日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

夢の話 第320夜 水星に行く

夕食後に、小一時間ほど眠り込んだ時に観た夢です。

出発の日が間近だが、準備が整っていない。
強迫観念めいた気持ちがあったのか、そのことに気づいて目が醒めた。

「参ったな。落ち合うポイントに行くには、どうセットすればいいんだっけか」
どこかで、人と会い、一緒に目的地に向かう手はずなのに、どうすれば良いか分からない。
しかし、そもそも、どこに行こうとしているのかも忘れていた。
起き掛けで頭が働かないのか、あるいは記憶が怪しくなっているのか、まるで考えがまとまらない。

冷蔵庫の扉に、紙が貼ってあった。
「〇月※日に出発 北緯40度」
北緯40度なら、オレが育った辺りだ。
どういうことだろ?

出発予定の日は、翌日だった。
「前の日になるまで忘れていたってことなのか?」
そんな馬鹿な。
今から出発すれば、北緯40度にぎりぎり届くかもしれないが、その緯度の範囲はかなり広い。
どこに向かって行けば良いのか。
「今さら仕方ない。バックれよう」
相手関係があるのなら、先方から何か言って来るだろ。

そこで簡単に諦めて、飯を食って寝直した。
再び目が醒めると、既に当日。、しかも、もはや暗くなっていた。
「そろそろ出発の時刻だよな」
しかし、別段、何の変化も無い。

外に出て、家の庭に立った。
星空がきれいで、空の隅々まで晴れ渡った夜だった。
「どこかに行くには、良い日和だな」
しばらくの間、そのまま空を見上げた。

すると、周りが少しずつ明るくなった。
「なんだろ?流星?」
しかし、明るくなっていたのは、オレの足元だった。
オレの周りが白く、明るく輝いていたのだ。
「こりゃ一体どういうことだよ」
下半身が光で真っ白だ。
眩しくて、目を開けているのもやっとこさだ。

不意に足元の光が噴出し、オレは空中に飛び上がった。
「おいおい。オレ自身がロケットかよ」
もの凄いスピードで、オレは空に飛び立った。
「これが旅立ちか。オレはどこに行くんだろ」
そう呟くと、答えが頭の中に浮かんできた。
「水星だよ」
このまま、北緯40度まで移動し、そこでもう1つの星と落ち合う。
それから宇宙を旅して、長く水星に至るのだ。

500キロの空中移動はあっという間で、オレはわずか数分で北緯40度の上空に近づいた。
経度はどうでも良い。
もう1人、オレの連れがこっちに向かって来るだろうから、その光を見つければ良いのだ。
そう考えた途端に、遠くの方から光が近寄って来た。
とてつもないスピードで近づいたかと思うと、そいつはオレの脇を通り過ぎて上空に向かった。
「ま、このスピードじゃあ、急には止まれないよな」
オレはその相手が進んだ方向に進路を変えて、追いかけ始めた。
ま、すぐに追いつくだろ。

飛びながら、ふと頭の中で考えた。
「今のこの速さなら、摩擦熱で燃え尽きてしまわないか?」
だが、心配無用だった。
オレはもはや物理的な存在ではなく、霊体だからだ。

光の筋が遠くに見える。
オレの相棒は、もう月を越えて、外宇宙に向かって進んでいた。

ここで覚醒。

肉体から解放されて、水星に向かう夢でした。
「死ぬ」ということと同義なので、あまり良い夢ではありません。
私のパートナーは女性でしたが、生前で会ったことの無い相手だったようです。