日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

夢の話 第329夜 首

誰もいない2階で、ドコドコと足音がしたその夜に見た夢です。
久々にドロドロの悪夢でした。

息子が父親の前にやってくる。
神妙な面持ちだ。
「父さん。どっちがいい?」
両手に持っているのは、槍と銛だった。

「あいつが現れたら、これで刺して」
「あいつ」?
「あいつ」って誰だよ。

息子から槍を受け取って、一緒に水辺に行く。
「あいつ」はここの水路から来ると言うのか。

周囲は暗く、自分たちがどこにいるのかも分からない。
星明りの下にいるような暗さだった。

じっと水面を見ていると、不意に動きがあった。
水中で大きめの鯉が動いた感じの水の動きだ。
「何かいるぞ」
「お父さん。気を付けてね。ヤツは急に襲って来るから」
襲ってくる、だと。

オレの目の前で、そいつが水面に浮かび上がってくる。
何か丸い物だ。
水面の上に現れた物は・・・。
首だった。

女の頭だけが、勝手に泳いでいたのだ。
「うひゃあ」
オレは思わず声を上げた。
すると、その女の首は、眼を開いてオレの方に視線を向けた。
「お父さん。刺して!噛み付いて来るよ」

そう言われても、相手は人間の顔をしているので、なかなかすぐに行動できない。
オレはほんの1秒か2秒か躊躇した。
すると、その女の首は「ばしゃっ」と音を立てて、空中に跳ね上がった。
オレに食いつこうと、口を開けて飛びかかって来る。

オレは槍で、その女の眼の辺りを突き刺した。
「チャッ」というような軽い音がして、その女の首に槍が突き刺さる。
すると、首は「キイイイイイイ」という長い叫び声を上げた。

途端に水面が波立つ。
あちこちかで水面が波立ち、それが筋のようになって、オレたちのいる方に向かって来る。
五つ六つの筋だった。
「タカシ。沢山来るぞ」
オレは息子に声を掛けた。
「うん」
その息子の返事が聞こえるや否や、水面から首が飛び出して来た。

「じゃあ、行ってきます」
半覚醒の中で、本物の息子の声が聞こえた。
今日は土曜日だが、息子は学校があるらしい。
「気を付けて行って来い」
息子に声を掛けると、オレは再び夢の世界に落ちた。

茶店のような店に座っている。
回りには、オレと同じくらいの男たちが4人いた。
「いやはや、大変でしたね」
「本当ですね。まさかあれほど酷い化け物が現れるとは」
「化け物」
あの首のことか。

「あれは一体どんなヤツらだったんだろ」
1人が呟く。
「化け物だよ。人間の首の形をしているが、怪物かエイリアンだ。人間が変じた物じゃない」
その男の隣にいたヤツは不審げな顔つきだ。
「何かの実験で生まれたとか、そんな類のヤツじゃないか」

オレはそうは思わない。
「違うと思うね。オレはあれは怨霊だと思う」
「怨霊?じゃあ、あれは祟っているのかい?」
「沢山に見えるが、実はたった1柱の怨霊だよ」
怨霊は人ではないので「人」とは数えない。オレは無意識に、お骨を数える時の「柱」という単位を使っていた。

ここで中断。

所用のため、外出します。
ここから先も、ドロドロの展開で、「勘弁してくれ」と言いたくなるくらいの悪霊が出て来ます。
久々にうなされながら目が醒めました。
あの足音が聞こえた夜の夢なので、何か影響があったかも知れません。