日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

夢の話 第372夜 大学で

つい先ほど仮眠中に観た夢です。

「母校が閉鎖になるかもしれない」という連絡が来た。
閉鎖解体になった後は、幾つかの大学が統合され、新大学になる。その際には就学条件がかなり良くなるため、意見が2つに割れている。
最終決断は、全学生の投票だ。閉校を阻止するには、学生になって「反対」に投票するしかない。
なら話は簡単だ。
「オレたちはもう少しで早期退職の齢なんだし、仕事を辞めて復学しよう」
オレに電話を掛けて来たそいつは、そう誘って来たのだった。
「ああ。いいよ。でも一度卒業した学部には入れないから、別の学部だな。よし教育学部だ」
教育とかは、「飲む・打つ・買う」まみれのオレの人生には最も向かない学部だ。だが、この際それも仕方がない。


早速、事務局に手続きに行った。
「随分きれいになっていやがる」
校門をくぐると、気も心も若くなったような気がする。
校舎の前に歩み寄ると、ガラスに自分の姿が映った。
「ありゃりゃ」
オヤジジイのオレなのに、どう見ても二十幾つの年恰好になっている。
この展開は・・・。
「巷で流行りそうな、内容の無い小説だよな。死んだ人が生まれかわるだの、人格が入れ替わるだの、リアリティの無い話だ」
でも、ま、何でも良い。この流れに乗れば、ソコソコ遊べそうだ。

会議場に行くと、もの凄い人の数だ。
「何万人いるんだろ」
大学全学部の構内に、同じように人が集まっているのなら、今ここにいるのは十万人どころではないぞ。二十万人とか三十万人の桁だろう。
「この人たち。もしかしてオレと同じように、閉校を阻止するために戻って来たのか?」
オレが利用したのは、「1年聴講生」というシステムだ。資格は貰えないが、総ての講義を聞くことが出来る。学費は1/3だ。
「どうやらやられたな。これで金が何百億円か集められた。手の込んだ仕掛けを考えやがって」
ま、それでも、閉校を阻止できればそれでよし。
マークシートが配られる。投票用紙なので、(存続)(統合)の2種類の選択肢しかない。
印をつけるのはもちろん、「存続」だ。

投票箱に入れて、建物の外に出た。
すると、どこかで見たような男女がいた。
「あら。皆も来てたの」
「当たり前だよ」
しばらく立ち話をする。
程なく、各学部の会場から「おお」という歓声が上がった。
「はは。やはり存続になるわけだね」
「こりゃどうもおめでとう」
一礼をして、その場から離れる。

校門の方に歩き始めると、向こう側から女性が歩いて来る。
学生時代に付き合っていた女子学生だ。
昔と変わらぬ外見をしている。
「あら」
少し緊張した。
この女性との最後は放り投げるような別れ方をしたのだった。
オレはこの時、どうしても忘れられない女性がいて苦しんでいた。
このため、色んな女性と付き合うが、長く続く例はない。
自分が情けなくなってしまうのだ。
それで、蒸発するみたいに姿を消す。
理由を説明することは無い。「他に女が出来た」ならまだしも、今は付き合っていないのに「忘れられない女性がいる」では、打ちのめされるだろ。
「自分勝手な悪人」と思われる方がまだましだろ。

もちろん、言い訳だ。
そこで、オレはその女性に向かって、「ごめんなさい」と告げた。
挨拶代りの「ごめんなさい」だ。謝ることは山ほどある。
すると、その女性は何も言わず、ただ昔と変わらぬ柔らかな表情で小さく微笑んだ。
うひゃあ。オレに「死ね」って言ってるのか。

オレは一歩、二歩と後ずさりする。
ここで覚醒。

このところ、何十年も前の夢を観ます。
昔の夢を観るのは、懐かしんでいるのではなく、「今が幸せだ」ってことを示唆するものだという話。
本当でしょうか。とても信じられん。
しかし、「人生をやり直したい」とは一度も思ったことはありません。
幾度しくじっても、「所詮オレはオレでしかない」と自覚しているのかもしれません。