日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

夢の話 第383夜 ゴースト

書籍の梱包と発送に追われる毎日で、少し疲れるとその場で倒れて、そのまま寝込んでしまいます。
これは昨日の午後に居間の床で寝転んだ時に観た夢です。

アパートの部屋で映画を観ている。
六畳ひと間の部屋で、どうやらオレは学生らしい。
部屋の中は昭和の雰囲気で一杯だ。

玄関の方で物音がした。
「え?」
オレは独り暮らしなのに。

不審に思い、襖を開いた。
すると、玄関の三和土のところに男が立っていた。
60歳前後のオヤジジイだ。
「あんた、誰?」
自分の部屋の中なので、ここは乱暴な言い方をしても良いよな。

男が「にっ」と愛想笑いをした。
「驚いた?それならスマンね」
その男は上品なスーツを着ていた。
「なんでオレの部屋の中に入り込んでるの?だいたい、どうやって入ったわけだよ」
男はひとつ頷くと、中に入って来ようとする。
「おい。入っても良いって言ってないよ」
これで男が動きを止めた。
「他人じゃないんだから、そう怒るなって」
さすがにカチンとくる。
「何が他人じゃないだ。オレにはあんたみたいな家族も親戚もいない」

男が姿勢を正す。
「あたり前だが、やっぱり分からないよな。でも、私は君とは他人じゃない。それどころか、一番近い存在だ」
「それじゃあ、いったい誰だって言うんだよ」
男がふたたび「にっ」と笑う。
「私はね。君自身だよ。君の40年後の姿だ」
オレは元々、短気な方だ。すっかり頭に血が上った。
「ひとの部屋に勝手に入り込んで置きながら、わけの分からないことを言う。そんなヤツは殴られても文句は言えないぞ」
これから殴るから、それが嫌なら出て行けという意味だ。

「それじゃあ、私は遠藤由美子の父親です、と言った方が良かったのかい」
「え」
思わず、オレは動きを止めた。
遠藤由美子とは、オレが付き合っている彼女の名前だった。
「そうなんですか?」
さすがに軌道を修正して、丁寧な口調になる。

「少なくとも、まったく見ず知らずの者ではないと分かったね。なら、少し落ち着いて話をしようか」
男は当たり前のように靴を脱ぎ、部屋の中に上がって来た。
「今日、私がここに来たのは理由がある。すぐに決断しなくてはならないが、それには君に意見を訊くのが良いと思ってここに来たんだ」
「はあ」
「私は君のことを何でも知っている。君自身より詳しいかもしれない。でも、判断がつかないんだ」
「どんなことですか」
うっかりオレはその男に興味を持ってしまっていた。
その男が、オレの母親にどこか似ていたせいだった。

「これから、君と一緒に幾人かの人に会う。その人たちの姿を見た上で、君の意見を聞きたい」
ここで男は畳の上に腰を下ろした。
「君は『クリスマスキャロル』って話を知ってるだろ」

ここで中断。

長い夢で、これから3人のゴーストならぬ、3人の知人のところを回ります。
夢の記憶を整理する必要がありそうです。