早朝の女子サッカーを見るために、夜通し起きていたのですが、3時過ぎに寝入ってしまいました。
短い時間ですが、その時に観た夢です。
目を開くと、コクピットみたいな所に座っていた。
前も横も真っ白だ。
「ここはどこだろ?」
少しずつ記憶が甦る。
オレは双発機で飛んでいたが、エンジンの不調で失速し、冬山に墜落したのだ。
雪の中に落ちたので、なんとか命は助かったのだが、頭を打って気を失っていたというわけだ。
「はて。これからどうしよう」
もう一度、前に向き直る。
「おいおい。こいつは・・・」
夢だ。オレは夢の中にいるのだ。
何故ってほら。目の前の天井からバックミラーが下がっている。
飛行機のコクピットにバックミラーはないだろうに。
飛行機を操縦したことの無いオレは、コクピットの中の装置や設備を知らない。
そこで、車の運転席で代用しているということだ。
何だか可笑しくて、くすくすと笑ってしまう。
だが、これが現実でも、そうでなくとも、危機的状況の中にいることは変わらない。
何とか脱出する方法を考えないとな。
操縦席を離れ、後ろの席に向かう。
こっち側の天井は破損しており、その穴の向こうに雪が見えていた。
穴に手を突っ込み、雪を掻き分けると、すぐに積雪の上に出た。
回り中が銀世界だった。
おまけに、見渡す限り雪山が続いている。
「不味いな。ここを出たところで、数キロも進めない。すぐに凍え死んでしまう」
おまけに、もはや夕方で、どっちに進んで行けばよいかも分からない。
「こりゃすぐに日没だ。ひと晩をここで過ごして、明るくあった頃に動き出そう」
無線を確かめる。
電波は入って来ないが、発信は出来そうだ。
オレは緊急信号の自動発信機にスイッチを入れた。
これで、この信号を聞きつけた救援隊が、ここを目指して来てくれるだろ。
「ま、それでも、明るくなってからだな」
二次的遭難を避けるため、救援活動が行われるのは日中だけだ。
「じゃあ、ここで待つしかない。凍死しないようにしなくては」
幸いなことに、飛行機はすっぽりと雪に埋もれている。
風が吹きすさぶ中では、あっという間に凍えてしまうが、今の状態は接道の中にいるのと同じだ。
あるいは「かまくら」だな。
上に空気穴も開けられるから、窒息もせずに済む。少々ならコンロを焚いても大丈夫だろ。
なんとか、希望が持てそうだ。
しかし、そんな楽観的な考えとはうらはらに、やたらオレの体が冷えて来た。
寒い。寒くて堪らない。
この状態では、こんなに寒い筈はないのだが。
ぶるぶると体が震える。
凍てつく風が顔の前の方から吹き付ける。
「おかしいな。前は雪で塞がれているのに」
風が吹いて来る筈がない。
いったいどういうことだよ?
首を捻りながら、ゆっくりと覚醒。
眼を覚ますと、夢の持つ意味が分かりました。
夜中に暑かったので、扇風機のスイッチを入れたのでした。
朝方になり、気温が下がって来た頃に、そのまま消し忘れて寝入ったので、こんな夢を観たのです。
要するに、外界の状況が夢の内容に反映されていたのです。