日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

夢の話 第386夜 不時着

早朝の女子サッカーを見るために、夜通し起きていたのですが、3時過ぎに寝入ってしまいました。
短い時間ですが、その時に観た夢です。

目を開くと、コクピットみたいな所に座っていた。
前も横も真っ白だ。
「ここはどこだろ?」

少しずつ記憶が甦る。
オレは双発機で飛んでいたが、エンジンの不調で失速し、冬山に墜落したのだ。
雪の中に落ちたので、なんとか命は助かったのだが、頭を打って気を失っていたというわけだ。
「はて。これからどうしよう」
もう一度、前に向き直る。

「おいおい。こいつは・・・」
夢だ。オレは夢の中にいるのだ。
何故ってほら。目の前の天井からバックミラーが下がっている。
飛行機のコクピットにバックミラーはないだろうに。
飛行機を操縦したことの無いオレは、コクピットの中の装置や設備を知らない。
そこで、車の運転席で代用しているということだ。
何だか可笑しくて、くすくすと笑ってしまう。

だが、これが現実でも、そうでなくとも、危機的状況の中にいることは変わらない。
何とか脱出する方法を考えないとな。
操縦席を離れ、後ろの席に向かう。
こっち側の天井は破損しており、その穴の向こうに雪が見えていた。
穴に手を突っ込み、雪を掻き分けると、すぐに積雪の上に出た。
回り中が銀世界だった。
おまけに、見渡す限り雪山が続いている。

「不味いな。ここを出たところで、数キロも進めない。すぐに凍え死んでしまう」
おまけに、もはや夕方で、どっちに進んで行けばよいかも分からない。
「こりゃすぐに日没だ。ひと晩をここで過ごして、明るくあった頃に動き出そう」
無線を確かめる。
電波は入って来ないが、発信は出来そうだ。
オレは緊急信号の自動発信機にスイッチを入れた。
これで、この信号を聞きつけた救援隊が、ここを目指して来てくれるだろ。
「ま、それでも、明るくなってからだな」
二次的遭難を避けるため、救援活動が行われるのは日中だけだ。

「じゃあ、ここで待つしかない。凍死しないようにしなくては」
幸いなことに、飛行機はすっぽりと雪に埋もれている。
風が吹きすさぶ中では、あっという間に凍えてしまうが、今の状態は接道の中にいるのと同じだ。
あるいは「かまくら」だな。
上に空気穴も開けられるから、窒息もせずに済む。少々ならコンロを焚いても大丈夫だろ。
なんとか、希望が持てそうだ。

しかし、そんな楽観的な考えとはうらはらに、やたらオレの体が冷えて来た。
寒い。寒くて堪らない。
この状態では、こんなに寒い筈はないのだが。
ぶるぶると体が震える。

凍てつく風が顔の前の方から吹き付ける。
「おかしいな。前は雪で塞がれているのに」
風が吹いて来る筈がない。
いったいどういうことだよ?

首を捻りながら、ゆっくりと覚醒。

眼を覚ますと、夢の持つ意味が分かりました。
夜中に暑かったので、扇風機のスイッチを入れたのでした。
朝方になり、気温が下がって来た頃に、そのまま消し忘れて寝入ったので、こんな夢を観たのです。
要するに、外界の状況が夢の内容に反映されていたのです。