日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

夢の話 第469夜 温泉同好会

夢の話 第469夜 温泉同好会 
 17日の朝に見た夢です。

 都心の喫茶店でコーヒーを飲んでいたら、隣の席に男が座った。
 「ありゃ。お前は」
 旧友のKだ。学生時代からの供だちぃの1人だが、ここ数年は消息不明だった。
 「おお。お前か。どうしてた?」
 「一応生きてる」
 こりゃ冗談ではないな。あくまで「一応」程度。
 「随分久しぶりだな。何年ぶりだろ。今まで何をしてた?」
 互いにこの数年の状況について報告し合う。
 コイツは若い頃から色んな事業をやっては潰していたが、何せ元が資産家の息子だ。
 今は一族の資産の管理だけで暮らしているらしい。

 「ところで。久々に温泉でも行くか」
 唐突にKが言い出す。
 そう言えば、学生時代から年に数回は男女を募って温泉に行っていた。
 温泉地の街湯を渡り歩き、安宿に泊まる貧乏旅行だ。女子も一緒だが、夕食の後はそれぞれ男子部屋・女子部屋に分かれて世間話をする。翌日はまた街湯歩き。
 極めて健全な温泉同好会だった。
 「いいね。行くか。いつ?」
 「明日」
 「じゃあ、来そうな人に連絡してみる」
 さすがに、大学卒業後、かなりの年数が経っている。
 男女とも家族がいるだろうし、そうは出られないだろうな。
 と思いきや、バラバラと男2人、女2人が「行く」と答えた。
 オヤジは日頃の「仕事の付き合いから解放されたい」、女性はなんと離婚済みで今はひとり。
 旅行に飢えていた。大人になると、昔みたいに、思い立ってすぐに行動出来る訳じゃない。
 誰かがきっかけを作ってくれれば大喜びだ。

 翌日になり、それぞれをKが車で回り、同行者を拾った。
 オレだけが、遠隔地に住んでいたので、ひとりだけ現地合流だ。
 車を運転して、温泉地を目指したが、なかなか道が分からない。
 オレの車は例によって、カーナビが誤作動ばかりしていた。
 山の中に迷い込み、道なりに進むと、突然、視界が開ける。
 谷があり、20辰粒害爾砲和腓な渓流が流れていたが、オレは道が崖の所で行き止まりになっていることに気付かず、崖から空中に飛び出した。
 「参った。こんなところでお陀仏か」
 目の前に、谷川や川原の岩が大きく拡がる。
 「ああ」と声を上げた瞬間、オレの車は無事に着地して、向かい側の道に下り立った。
 「おいおい。こういうのもアリなの?」
 こりゃ夢だな。有り得ない。

 温泉旅館に着くと、仲間たちが待っていた。
 Kが「何だよ。遅いじゃないか」と笑いながら言う。
 これも昔と同じだ。
 男も女も、皆がニコニコと笑っている。

 早速、そこの旅館の風呂に入る。
 室内風呂で小さなつくりだ。一角に扉があり、紙が貼ってあった。
 「露天風呂⇒」と書いてある。
 「何だか。昔もこういうことがあったよな。紙の通りに外に出たら・・・」
 その時はS温泉だったが、扉の外は普通の田舎道だった。
 道を30辰曚豹覆爐函渓流に下りる道があり、川の傍に露天風呂がある。
 「そうそう。その温泉の施設じゃなく、そこの地域の露天だった」
 だから、扉の外は一般道で、浴衣を着て歩かなければならない。
 オレとKはそれに気づかず、タオル1枚で外に出たのだった。
 30胆茲力天の上のところで、家に帰る女子高生たちとすれ違ったっけな。
 さすがにヒヤッとしたが、女子高生たちもさすが温泉街の子たちで裸には慣れている。
 平然とオレたちの脇を通り過ぎて行ったっけ。

「今日はしくじらないように、浴衣を着て出よう」
「了解」
 やはり、つくりは前と同じで、外には普通の温泉街だった。
 かなり歩くと、崖の上に展望露天風呂があった。
 2人で先にその風呂に入った。
 じきにもう一人の男と、女子たちが来る。
 もはや暗くなって来たから、混浴でも平気だろ。

 時々、「ぶああ」と機関車が吐く蒸気のような音が聞こえる。
 音のした方を見ると、崖の途中から白い水蒸気が噴き出していた。
 「おお。すごいじゃんか。まるで噴火してるみたい」

 「間欠泉?それとは違うよな」
 再びその穴から行き良いよく蒸気が噴き出す。
 今度の色は黄色だった。 
 「なんだか少し違うんじゃないか」
 黄色いものが噴き出すと、谷の底に落ちる。それが赤黒く固まっていた。

 「おい。あれは溶岩だ。まずいな。噴火しようとしてるんだ」
 「こりゃ不味い。早く逃げよう」
 大慌てでパンツを穿き、浴衣を抱えて走り出す。
 背後で「ぶわわあ」という音が聞こえるが、今は後ろを振り向く余裕は無い。
 「走れ走れ!」
  
 しかし、溶岩はすぐ後ろに迫って来ているらしい。
 背中が熱くて堪らなくなってきた。

 ここで覚醒。
 朝方、少し寒かったので、カーペットヒーターを最強に入れたのです。
 そのまま寝込んでしまい、汗をびっしょりと掻いていました。
 眼が醒めた瞬間にそのことに気付きました。
 「やった。やった。ようやく普通の夢になって来た」
 少しホッとしました。