◎ 夢の話 第484夜 扉の前で
上りの新幹線に乗り、居眠りをした時に観た夢です。
眼を開くと、すぐ前に扉が見える。
「ここはどこだろ?」
「扉」と言うより、昔風の引き戸だった。
「まるでふた昔は前の家のようだな」
後ろを振り返ると格子の引き戸がある。屋根の付いた表門だ。
「ははあ。これは和風の旅館か料亭だ」
少しどきっとする。
「もしかしてここは・・・」
時々、オレの夢に出て来る。あの広い縁側廊下のある家ではないだろうか。
そこにオレは何しに来たんだろ。
すぐに頭の中に答えが湧いてくる。
「なるほど。オレはここの戸を開けに来たのだ」
それから、再びこの中に入り、縁側廊下を通って、一番奥まで行く。
その突き当りには出口があるから、そこをいつでも開けられるようにして置く。
それから、最初の玄関に戻り、戸を開けたまま人が来るのを待つのだ。
「オレがここで待っているのは」
もちろん、木本みちだ。
オレがあの女を外に出したのだから、オレがあの世に送ってやらないとな。
最初の引き戸の向こうが幽界で、奥の出口の向こうが霊界だ。
かなり手古摺るかもしれないが、いざとなったら、あの女を捕まえたまま、オレも一緒に向こう側に渡ろう。
「それがオレの務めだからな」
ここで覚醒。
どうやら、『縞女』が先に降ってきそうです。
かなり怖ろしいストーリーなので、これを待ち望んでいるホラー好きもおられるでしょう。
もう少しです。