日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

◎実はシロ

◎実はシロ
 マスゾエ氏は第三者として元検事2人を選んだけれど、答は間違いなく「シロ」だ。
 元検事ゆえに「法的にどうか」で判断するからだ。

 都庁から自宅への送り迎えに公用車を使うのは問題がなく、それが別荘でもほとんど変わらない。法的には問題ない。
 自宅を政治団体の事務所として使用し、月40万円の賃貸契約を結んでいたとの話だが、契約自体は当事者間の取り決めなので、それを幾らにしようが他の者が口を挟むいわれは無い。
 家族で温泉に行ったり、食事をしたりしたのを経費計上した件についても、奥さんが代表であれば、これも問題ない。
 そのことを、自分で言うと「いかにもごまかしている」感じが出るので、あえて「第三者」「第三者」と口にした。
 ちなみに「第三者」とは「オレではない」という意味で、「利害関係のない立場ではない」と言う意味ではない。この辺、テレビのコメンテーターの多くは、「報酬を払うのはマスゾエ氏だから第三者ではない」と言っていたが、まるっきりの的外れ。物事を表面的にしか捉えていないので、論評には向かない人たちだ。

 マスゾエ氏本人が言うなら、「オレの女房が代表者で、そいつが同席していたから」という表現になるが、第三者が言う分には「団体の代表者と打ち合わせをした」ということになる。
 それが家族であるかどうかは、「法的には」関係がなく、いたって当たり前の政治活動になるわけだ。
 そのことをマスゾエ氏も熟知しているので、今はダンマリを貫いている。
 やはり、自他共に認めるように、かなり頭が良く、悪知恵が回る。

 マスゾエ氏は貧乏な育ちで、自分の頭1本でのし上がった人間だ。
 頼りとすべき後ろ盾を持たない人間がのしていくには、強固な意志と揺るぎない自信が必要で、結果的に他者に対しては攻撃的になる。
 間近に見れば、実に「嫌なヤツ」だろうが、政治家の子弟で、政治技術のみに長けている二代目三代目よりは庶民的な立場だ。
 ここは印象と違い逆に評価すべき点だ。

 だが、上手の手からも必ず水はこぼれる。
 政治資金規正法ではほとんどの行為は「シロ」だが、完全に「クロ」の部分もある。
 多くの人が指摘しているが、「3人分の蕎麦を注文して、『領収書は20人分と書け』と言った」の類だ。
 ここは政治資金ではなく、ごく普通の犯罪なので、証人と証拠を揃えられれば、一気に追い詰められる。
 脱税など金の不始末は概ね短期(概ね5年くらい)で免責になるが、刑法犯は違う。
 1件では不起訴だろうが、これが5件10件になると裁判になる。

 普段から、スタッフを労うために食事に連れて行ったり、飲ませたりしていれば、いちいち領収書など取らなくなる。
 それを知れば、身内の方も大将を守る方に回る。
 太っ腹や大風呂敷は、そのことで救われる面もあるのだが、マスゾエ氏はスタッフには「たまに蕎麦をおごる程度」だったらしい。
 この辺は、「貧しい育ちで倹約家」が災いした部分だ。

 仕事柄、永田町の議員会館には頻繁に行ったが、国会議員は常に「貰う方」で、「支援の状況に応じ見返りを渡す」というスタンスだった。
 だが、身内の者に対しては当然対応が異なり、人的・金銭的支援を怠らないのが普通だ。
 それが出来ない場合でも、「善処する」という姿勢は見せる。
 そこの有る無しが、マスゾエ氏の今後を左右することになりそう。

前の会計責任者が「私がどこか解釈を間違ったのかも」と言えば、印象はかなり違う。
 ここはマスゾエ氏が「多忙だったから領収書をただ渡した」とすれば、その時点で免責になるところだ。資金が入るところではなく使うところは、規制がほとんどない。
 ところが、その会計責任者は「私は何一つ間違ったことはしていない。言われたとおりにしただけ」と答えた。

 おいおい、マスゾエさん。いざという時に助けてもらえる関係を作るなら、時々、身銭を切ってキャバクラに連れて行くもんだよ。
 人間関係の構築は、まずは飲み食いを共にするところから。
 自分と家族だけ良い物を食って、スタッフには「たまにざる蕎麦をおごる程度」では人はついてこない。
 「貰ったらあげる」ではなく、先周りして面倒を見るようにすれば、少なくとも土壇場で背中を向けたりはしないもんです。