◎証人喚問が最大のヤマ
追い詰められた者の言うことだけに、籠池氏の弁が一概に本当のこととは言えないが、辻褄の合うことがある。
1)籠池氏は日本会議のメンバーで、これは安倍総理の支持基盤。熱心に活動もしている。
2)安部総理の考え方に近いものがあったので、安倍氏(または婦人)は学校新設の話を聞き、何がしかの寄付を行った(あくまで籠池弁)。
3)感動した籠池氏は、「安倍普三記念小学校」と名づけ、名誉校長を奥さんにしようとした。
4)籠池氏が総理と昵懇の関係であることを見取り、官僚が忖度して、どんどん先回りして便宜を計らった。これは自身の保身と出世のため。
5)中央が積極的なので、大阪府庁も「流れに身を任せて」先に進めた。
しくじりはここから。
6)財務省は、籠池氏に最大限の便益を供与した。これが8億円の値引き。
7)念のため、異例の措置をとった証拠資料を廃棄した。
(実はもちろん、まだ担当者個人が持っている。これは万が一の時の保険だ。)
これで、巧妙だったはずの利益供与が、「あまりにも完璧すぎる」という理由で露見した。
財務省が土地売却の際に、指名競争入札にして、そもそも興味の無い業者を選んでおけば、何の問題なく進行した。入札を経由していれば、落札価は常に「適正な市場価格」となった。
安倍氏にとって、籠池氏は小者に過ぎず、意識の外にあった。
その意味では籠池氏のことを「よく知らない」は本音だろう。
だが、総理夫人が実際に寄付を渡していれば、関係が裏付けられ、少なくとも「忖度」が存在したことを否定できなくなる。
自身が関わったことでなくとも、関わったことと同義なので、そこで安倍内閣は終わりになる。
その意味で、今度の証人喚問は大きな意味を持つ。
さて、果たして籠池氏が無事に証人台に立てるかどうか。