日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

◎苦痛が無くなる方法

◎苦痛が無くなる方法
 土曜の病院の話です。
 ベッドに寝ていたら、隣のベッドの女性患者が医師と話しているのが聞こえました。
 この患者は、何かの珍しい感染症で多臓器がやられ、今も抗生物質浸けになっています。
 外見から40歳くらいだと思っていたが、実際は30歳台の半ばらしい。
 今も体温が常時37度台で、既に片目を失明している模様。
 すなわち、病気にやっつけられっ放しということ。
 だがおそらくその半分は、延命のための投薬の副作用がもたらした病気です。
 薬を使わないと死んでしまうから、劇薬を使うが、その薬を使うと別の臓器が犯される。その繰り返し。
 「生活習慣病」なんて、まさにクソ理論で、医師を守るためのものですねえ。
 周りの人のをよく聞くと、腎臓病に至るのは半分がネフロ-ゼで感染症から。その次が内臓疾患の治療薬の副作用です。糖尿病の合併症なんて1割もない。
 ところが、ほんの少しでも糖尿病の履病歴があると、診断は「糖尿病の合併症」と記載されてしまいます。
 医師は薬の副作用だと知っており、患者にもそう話すのですが、カルテにはこう書きます。理由は、迂闊にそう書くと「訴えられる可能性がある」から。
 この女性患者は、結構、我がままを言う患者ですが、それだけ「やっつけられている」ことの裏返しです。
 まだ若いのに、もはや結婚とか出産は諦めねばならないですね。
 それどころか、この半年1年をどうやって生き残るかがテーマになっています。

 ウイルス性の肝炎も簡単に感染する病気で、腎臓とは経路は違いますが、相当やっつけられます。
 やはり見聞きするのと実際はかなり違います。

 しばらくして、看護師が当方のベッドにやって来て、いつもの質問をしました。
 「今日は何か臨時のお薬は要りますか?」
 間髪入れず答えました。
 「モルヒネが良いですね。普段の薬は要りません」
 看護師が「え」と真面目に聞き返します。
 「苦痛が酷いからと言えば、貰えないことも無いのですが・・・」
 「私だけでなく皆さんにたっぷり配って下さい。悩み事がなくなるし、国民医療費が削減できます。モルヒネは大量生産出来るから、そんなに費用は掛からない」
 皆が安らかにあの世に行けますよ、という意味ですが、ここでようやく看護師も冗談だと気付いた模様。
 「そういうの、止めて下さい!」
 オヤジ看護師なら笑ってスルーしたと思いますが、たまたま女性でした。
 女性にはこういう冗談は通じないよな。

 ところで、反対側の40台のオヤジ患者は、毎回、あれだこれだと薬を要求します。
 障害者の医療費は1割負担で、市町村によりその1割にも補助が出たりするのですが、ある程度、自助努力をすべきだと思いますね。
 まあ、そういう患者は死期を感じているのでわがままを言うのですが、それほど余命はありませんので、長生きをする人よりも実際には医療費は少ないのではないかと思います。