日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

◎扉を叩く音(続) 徐々に感覚が戻る

◎扉を叩く音(続) 徐々に感覚が戻る
 毎年、「秋から冬にかけて、深夜、玄関の扉を叩く音がする」話の続きです。

 このひと月は、まったく何も異変が起きません。
 声も聴こえず、気配もありません。当然、画像にも写らない。
 ざわざわ感がまったくないので、いつも平常心でいられます。
 良いことばかりではなく、「虫の知らせ」みたいなものもありません。
 日に日に寒くなるので、体調が下がっており、心臓の状態が落ちるわけですが、以前は1時間くらい前に「どうやらもうじき来るかな」という感覚がありました。
 そういう予感もなく、病院のベッドにいる時に、突然、心不全を発症したりしています。
 (病院にいる時間が長いので、具合が悪くなるのも病院の中。なので、対応が早い。良いんだか悪いんだか。)

 さて、昨日のこと。
 夕方になり、夕食の支度をしていると、玄関が開き、誰かが入って来ました。
 足音の感じからして、おそらく妻です。
 私は台所にいるので、姿は見えません。
 妻は居間に入って来ると、床に荷物を下ろし、「○○○はまだ帰ってないの?」と訊きます。(○○○は息子の名前です。)
 「まだだよ」と返事をしました。
 すると、その後の反応がありません。
 トイレにでも行ったのか。
 ところが、十分くらいしても戻って来ないのです。
 姿が見えなくとも、人の気配はするものですが、まったくそれがありません。
 居間に出てみると、やはり人がいた形跡がありませんでした。もちろん、トイレにも。

 「ああ。あれが戻ってくるんだな」
 いつも身近に感じていたのは、女の幽霊で、これは時々、写真にも写ります。
 今年もあちこちで写ったのですが、その地に由来するものではなく、私自身に関係したものでした。

 うちひとつは、自分が私の妻でいるつもりのようで、現実の妻の声色で声を出すことがあります。
 外にいる時でも、「おとうさん」と呼び掛けて来ることが時々あり、その時、一緒にいる者もその声を聞くので、それが空耳でないと分かります。
 私が他の女性と食事をしたりすると、そいつは腹を立てるようで、様々な邪魔をして来ます。
 一番多いのは、「ドアが開かなくなる」。
 レストランの扉がどうやっても開かなくなります。自動ドアでも引き戸でも、まったく動かなくなるのです。鍵が引っ掛かっている感じではなく、ドア自体が壁面に貼り付いている感触です。
 これが「たまたま」でないと思うのは、1日のうちに3度4度とこれが起きるからです。
 1度はたまたま起きても、4度は起きません。

 ドア以外では、電気的な機器の不具合が起こります。
 カーナビが典型的で、普通では考えられない誤作動を始めます。
 神奈川の三浦にドライブに行った時など、帰路、カーナビが逆方向を示し、市内を三周させられました。同じ所を何度も通るので、「これはおかしい」と気付いたわけですが、知っていた道があったので、そこでカーナビを切り逆方向に向かいました。
 別の時には、東京方面に帰るのに、「高速に入って名古屋方向」を示したことがあります。
 いずれも妄想や「気のせい」ではないと確信するのは、その場にいて同じことを目撃し、体験した人がいるからです。

 さて、このひと月は、極めて静かに暮らして来たのですが、そろそろまた始まろうとしているのかもしれません。
 うんざりする気持ちの反面、少しほっとするところもあります。
 そういうのに慣れているからかもしれませんが、「この先にこんなことが起こりそう」という「お知らせ」があるとないのでは、受け止め方がまるで違います。